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2010.05.04
「ラ・フォル・ジュルネびわ湖」プレイベントの日に行ってきました
前のブログ更新からまたまた時間が空いてしまいました。
5月の大型連休になると毎年有楽町のラ・フォル・ジュルネには欠かさず足を運んでいるおかかさんですから「当然今年も…」と思っておりましたのですがっ、今年は仕事の都合上「飛び石連休」(←これって死語?)状態となり、やむなく断念と相成りました。うん、第1回から続いていた有楽町の皆勤が「5」で途切れたわけです。まあ金本選手の連続出場も途切れましたし、タイミングとしては丁度いいかな(ん?)。
その代わりというのもナンですが、びわ湖ホールで開催されている「ラ・フォル・ジュルネびわ湖」に出かけてみましたよ。私が行った日(5月1日)はプレイベントの日で、有料コンサートは無かったんですが、それでもジェラール・プーレ(一昨年でたフランス音楽ソナタ集のCDは絶品!)のマスタークラスが無料で拝見できて「こりゃ随分得したなぁ」感いっぱいでした。まあお客さん(それも小さなお子さん多数)が入ってるのを意識したのか、随分派手なアクションでご指導なさっておられたのですけど、モーツァルトを弾かせたときは受講生に「高音のメロディはソプラノのように、低音はバリトンのように」などと、オペラをイメージしてみるようアドバイスしていましたね。「モーツァルトのヴァイオリン作品の中には大劇場のイメージ、偉大なる歌手たちが歌うイメージがあります」「人生のスペクタクルがモーツァルトにはあります」といった具合に。あとヴァイオリンを水平に構えることの重要性を説いていたのが印象的でした。
あとホールのロケーションが実にいいですね。私はびわ湖ホールは何度も足を運んだことがありますが、「こんな良い場所に建ってるんだ」とこのとき初めて気づきました(笑)。気づくのが遅いっちゃあ遅いのですが、晴天のびわ湖を臨む景色最高ですね!シドニー・オペラハウス以上だと言ったら言い過ぎですか?(笑)
2009.12.09
プレヴィン&ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏を聞く
一つ前のエントリに続き、私のゲヴァントハウス訪問記を。ここからはコンサートの感想です。
ゲヴェントハウス管弦楽団といえば、先月来日公演があったばかりです。「ザ・独墺系」という旧来のイメージから変化しつうある、というコンサート評も見かけたので「どないな響きがするんやろ」と思っていましたが、実際ホームのゲヴァントハウスで聞くとやっぱり「独墺系」でしたね。安心しました。会場のアコースティックも「旧東独時代の建築物だから」とあまり期待していなかったのですが、想像以上に良かったです。私の席は舞台裏側の最前列(18,4ユーロ!)でしたが、暗くて落ち着いた響きの質感は悪くなかったです。日本のホールとの比較でいうと「強いて言えば東京文化会館に近いかな」と。
1曲目はヴォルフガング・リームの作品「Ernster Gesang」。舞台前方、指揮台の両脇にクラリネット4本とイングリッシュホルン奏者一人が控えるという変則配置。オーボエがない曲ということで、クラリネットが「ポーー」と鳴らしてチューニングの音頭を取っていました。リームの曲の印象は、ひとことでいえばロマンティック。ところどころアルバン・ベルクになったり、タケミツになったりしながらも、艶やかでデリカシーのある佳作だと思いました。あとゲヴァントハウスの奏者たちが聞かせてくれた音の響き、そして重なり具合の「妙」が印象的でした。このリアルな質感は、なかなかラジオや録音からは伝わってこない類のものです。私はいつも「現代作品こそ生で聴かねば」と思っているのですが、今回それを再確認しましたね。
会場からの拍手を受けたプレヴィンは、指揮台上に置かれた椅子に腰をかけたまま次の曲の準備が整うのを待ちます。団員が配置についたところで独唱のフェリシティ・ロットが現れ、R・シュトラウス「カプリッチョ」からの音楽が始まりました。私は終始ロットの背中を見て聞く格好になったので(苦笑)、歌唱について云々するのは困難かと思います。ただ音楽の持つ「ストーリー性」は、はっきりと感じることができました。そしてオケも素晴らしかった!ハーモニーには暖かみがあり、旋律線には柔らかみがあります。シュトラウスはこうでないと。ちなみに最前列に座っていたので、パート譜が見えたのですが、「カプリッチョ」の譜面は茶色がかっていて、しかも手書きでした。「もしかして作曲者の存命当時から使われてる所蔵譜かも」と思ったり。
休憩時間にはビール片手にロビーをうろうろ。ニキシュのレリーフや歴代のゲヴァントハウスの模型などを見物して時間をつぶしておりました。
メインはブラームスの「交響曲第4番」。ここで聞いた第1楽章の音楽を、わたしは一生忘れることがないでしょう。すべての音が泉のようにわき出て、溢れた水が川の流れを作り出していくような、そんな音楽でした。みずみずしくてニュアンスに富んだ各声部が、それぞれ自己主張を繰り返しつつ音楽として一体感し前進する。このような音楽こそが交響音楽の究極といえるでしょう。それが突然目の前に現れたのです。すごく嬉しかったですね。それは客席も同じ思いだったみたいです。古くからの音楽ファンが多い(ように客席を見渡して思った)ゲヴァントハウスの聴衆からも、第1楽章終了後に(わずかながらも)拍手が漏れたくらいですから。第2楽章以降は音楽がやや「平常運転」のようになったり、指揮者の棒とは無関係に音楽が動いたりしたりと、やや弛緩したところもありましたが、それにしても第1楽章がとても見事だったので、わざわざ遠路はるばる足を運んで良かったヨカッタ、と思いつつサンタ帽を被ったヨッパライ達をかきわけながらホテルに向かったのでした。
(Program Note)
Gewandhausorchester Leipzig
Conductor: André Previn
Soprano: Dame Felicity Lott
Venue: Gewandhaus Großer Saal, Leipzig
Date: December 4, 2009
1. Rihm: Ernster Gesang für Orchester
2. R.Strauss: Mondscheinmusik & Schlussszene aus der Oper "Capriccio"
3. Brahms: Sinfonie Nr.4 e-moll op.98
2009.07.01
秋山和慶指揮大阪フィル、そしてベルシャザールのこと
こないだの日曜日(6/28)は、大阪フィル定期を聞きにザ・シンフォニーホールまで出かけました。メインに据えられたウォルトンの大作「ベルシャザールの饗宴」が目当てでしたが、前半のモーツァルトやディーリアスもなかなか魅力的な演奏で、最初から最後まで飽きることのない、素晴らしいコンサートでした。
2009.06.23
ウェールズSQの「ウェールズ」というのはラテン語で「ホンモノ」(Verus)という意味らしいです。
去年「第57回ARDミュンヘン国際コンクール」の弦楽四重奏部門で、日本から参加した「ウェールズ四重奏団」が第3位を獲得したことは、やくぺん先生のブログで大きく取り上げられたこともあり、ご存じの読者も多いかと思います。このカルテットがメンバー2人を入れ替えて以来初めての演奏会を静岡県・袋井市の「月見の里学遊館」で開くという情報を、ホールスタッフの方から直々に頂きましたので、「これは行かねば!」と片道1000円の高速道路に乗って袋井まで出かけて参りました。当ブログのコメント欄で情報を寄せて頂いたホールスタッフの方には、この場を借りまして御礼を申し上げます。ほんとうにありがとうございます。
2009.03.29
竹澤恭子&小川典子@京都
先週末、3月28日(土)に京都・北山までおでかけしました。一番の目的は「よもぎあんぱん」ではなく(笑)、竹澤恭子さんと小川典子さんのデュオ(at 京都コンサートホール・小ホール)です。お二人とも世界に名を知られた名手ということで、とても期待して会場入りしたのですが、全般的に「世界水準」の、素晴らしいコンサートだったと思います。
より以前の記事一覧
- 永遠の春。そして踊れ!ベートーヴェン 2009.03.20
- 冬の旅のお次は空中散歩で 2009.03.13
- 所沢の旅 冬の旅 2009.03.12
- 晴天に 月見に行くとは これいかに 2009.02.15
- N響「わが祖国」に涙 2009.02.09
- やっとブリュッヘンに会えた! 2009.02.08
- 2008年 このコンサートが良かった! 2008.12.29
- ユーチューブ交響楽団 始動 2008.12.03
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- 大井浩明のベートーヴェン いよいよ後半戦 2008.11.02
- 妄想サロメダンス 2008.10.13
- セプテンバーにアース・ウィンド・アンド・ファイアーとカウンターテノールが一瞬の邂逅 2008.09.11
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