« エディンバラ記(その2) | Main | エディンバラ記(その4) »

2014.10.13

エディンバラ記(その3)

Hebrides

 ・4日目
 起床。BBCのニュースにチャンネルを合わせる。女性キャスターはきのうと同じスカートだったが、足は股引のようなものを履いているので、きょうは露出が気にならない。抗議のメールでも来たのだろうか。朝ごはんのレストランで外を眺め天気を確認。きょうも晴れている!昨日の予報は何だったのか。天気が良いに超したことはないのですが、エディンバラの霧というのも見たかった。


 食事のあとホリールード宮殿まで歩いて行くことにした。カールトン・ヒルから墓地を通り抜けて到着。ここも観光客が結構いる。音声ガイドの指示にしたがって巡回。オーディオガイドが日本語で、スコットランド女王メアリの時代のエピソードなどを紹介してくれる。それによるとすでに19世紀には宮殿内を案内する観光ガイドが居たのだとか。

Palace_of_holyroodhouse

Palace_of_holyroodhouse02

 そしてここには宮殿に隣接して修道院の廃墟が残されている。ここにたどりつくと音声ガイドからメンデルスゾーンの交響曲第3番が流れてきた。メンデルスゾーンがスコットランドを訪れた際、ここで曲の序奏部の着想を得た、ということでそんな仕掛けになっている。ただわたしは修道院周辺の庭やその背後にある丘の風景に目を奪われていた。

Gen_mai_cha

 宮殿を出て徒歩で中心部へ。昼ごはんは「Eteaket」というカフェで。クランベリーとチーズのホットサンドを注文。お茶はGen・Mai・Cha、玄米茶を。メニューを見てつい目についたので。気がついたら私の周りのお客さんは全員女性だった。たしかに店内はカワイイ系の椅子やら机やらが並んでいて、女性客に喜ばれそうな雰囲気。少し入る店を間違えたかもしれないが、おいしいご飯とおいしいお茶に満足。
 食後はふたたび旧市街へ。楽器博物館のほうに向かうが道を間違えたりして、なかなかたどり着けない。スマホのGPSを頼ってどうにか到着。この日はたまたま館内でコンサートがあるらしく、その準備のためスタッフがあわただしく移動していた。楽器博物館はどこかと通りすがりのスタッフに聞いて、部屋に案内されるとたくさんの鍵盤楽器がひしめくように並べられていた。「リュックサックをかついで歩かないで」とスタッフに指示されたが、そりゃこれだけ狭い空間でリュック背負ったら、どこかで引っかけてしまうだろう。ソローっと注意深く館内を巡回。おもしろいなと思ったのは19世紀に製造されたクラヴィコード。ピアノの時代になってもクラヴィコードは製造されていたのですね。
 そのあと観光名所のひとつ、スコッチウイスキー・エクスペリエンスに。前半はテーマパークでよく見かける1~2人乗りのカートに乗って移動しながらウィスキーの作り方を見ることができるアトラクション。後半はプレゼンターがウィスキーの産地(ハイランド、スペイサイド、アイラなど)による味の違いをレクチャーする。最後にスコッチウイスキーがずらりと並んだショーケースの部屋に案内される。酒店でおなじみのものから見たこともないものまで、そのボトルの数に圧倒される。日本語のオーディオガイドもあるので、どなたでも楽しめると思う。未成年にはテイスティングの際にウィスキーの代わりにジュースが渡されますので、お子様もオッケー。

Jansons

 ホテルに戻ってベッドに横になったらそのまま居眠りしてしまい、気づいたら夜の7時半になっていた。急いで着替えて、アッシャー・ホールに向かう。この日はオランダ王立コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサート。実は去年ベルリン・フィルをパリで聞いたあとベルリンでコンセルトヘボウを聞く予定だったのだが急な予定が入りキャンセル、ということがあった。今回はそのリベンジ。
 1曲目のショスタコーヴィチ、交響曲第1番。冒頭部の音の断片、そのひとつひとつが生き生きしている。パペットショーの人形のように音が躍動している。音が放たれて、空中に浮かんでいく様が目に見えるようだった。昨日のトリノの歌劇場のオケもうまかったが、コンセルトヘボウはそれ以上というか別次元。これが世界一のオーケストラ(※「グラモフォン」誌による)というものなのか…。ショスタコーヴィチはその後もスリリングで緊迫感を保ったまま終了。だがそのあとのラヴェルの2曲(ト長調のピアノ協奏曲と「ダフニスとクロエ」第2組曲)は、ショスタコほどの創造性は感じなかった。最初から最後までセカセカしていて落ち着かない印象。この差はどこから来たのか。もしかして、指揮者ヤンソンスの所有するイメージのボキャブラリーが、ショスタコーヴィチは豊富で、ラヴェルはそうでないのか。
 終演後バスに飛び乗ったら、大型犬とその飼い主とおぼしき男性が隣同士、チンと座っていた。そして周囲の乗客は飼い主に話しかけながら、犬を見つめている。どの瞳もやさしいまなざしをしていた。

(Program Note 4)
Edinburgh International Festival - Royal Concertgebouw Orchestra
Conductor: Mariss Jansons
Piano: Jean-Yves Thibaudet
Venue: Usher Hall
Date: August 27, 2014

1. Shostakovich: Symphony No 1
2. Ravel: Piano Concerto in G
3. Ravel: Daphnis et Chloé Suite No 2

|

« エディンバラ記(その2) | Main | エディンバラ記(その4) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference エディンバラ記(その3):

« エディンバラ記(その2) | Main | エディンバラ記(その4) »