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2013.05.07

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」2013の雑感

 毎年ゴールデンウィークに東京国際フォーラム(以下TIF)で開催される「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(以下LFJ)。第9回の今年は5月3日から5日までの3日間の本公演が開催され、「パリ、至福の時」というテーマのもと、パリにゆかりのあるフランスやスペインの作曲家の作品が取り上げられました。

 2005年の第1回以来TIF、そして国内四都市(金沢、大津、新潟、鳥栖)で開催される「ラ・フォル・ジュルネ」を冠した音楽祭には毎年どこかに顔を出している私ですが、今年はTIFのみ。しかも2日目に4公演のみの参加でした。過去に3日で20公演のハシゴ経験のある私も最近は「ちょっと体力的にキツイかな」と自重気味だったのと、チケット先行予約のシステム手数料に嫌気がさしたのがその理由だったのですが、ツイッターなどで感想を追っていくと、今年も各会場で名演が同時多発的に発生していたようで、ツイートの数々を羨望の目で眺めているうちに「来年は体力の限界に挑戦してみようかな」と思った次第であります(大丈夫かな~)。
 でもいい演奏が数多く披露されたということは、今後のLFJを占ううえで本当に良かったと思います。もともと「格安」というイメージで始まったLFJですが最近は「ホールの質を考えるとそれほどでも」「1時間あたりの値段は他ホールの公演とさほど変わらないのでは」という指摘を目にする機会が多くなりました。ですから「LFJに行くといい演奏が聴ける」という印象をファンに持ってもらうこと、クオリティの高い演奏を求めてTIFに足を運ぶ観客が増えることが今後必要になってくるでしょう。そういう意味でLFJの常連ピアニスト、たとえば私が聞いたところで挙げるならジャン=クロード・ペヌティエが去年のスクリャービンに続いて今年フォーレの夜想曲をすばらしい演奏で聞かせてくれたり、ルイス・フェルナンド・ペレスが「イベリア」(とアンコール4曲:笑)を大迫力のピアニズムでノックアウトさせてくれたりすると、「来年来日したらまた聞いてみよう」という気持ちになるわけです。ということで(ずいぶん評判だったけど私は聞き逃した)「カスタネットの女王」ルセロ・テナさんまた来ないかなぁ。
 さて例年避けて通れないチケット問題ですが、(「あくまで私見です」と断ったうえで)今年は例年よりチケット獲得が容易だったのではないかと思います。ことし私は、最速でチケットがゲットできる「熱狂の日フレンズ先行抽選販売」と、それに続いて行われた「チケットぴあ先行抽選販売」で4公演のチケット全てをゲットすることが出来ました。もっと激しい争奪戦を予想していたので結構意外でした。そして一般販売が始まってからもチケットの売れ行きは以前にくらべるとゆったりしたものだったと思います。主催者からしたら気を揉んだでしょうが、個人的には例年のようなストレスをさほど感じることなく券を購入できたので良かったです。最終的にもLFJの売り上げは昨年実績を上回ったようですし、来年以降もこんな感じでいけば、ファンの満足度も上がっていくのではないでしょうか。チケットゲッター対策として抽選販売の充実を図った主催者の努力を、今回は評価いたします。
良いところはいいとして個人的な希望もいくつかあります。小ホール公演に当日券販売枠の導入を検討してほしいですし、25歳以下の割引料金も拡充するとTIFに若い人たちがもっと増えそうです。あとホールAなら1回くらい無料公演(もちろん要整理券で)してもよいのではないでしょうか。BBCプロムスでは今年無料で「第九」やるみたいですし。
 もうひとつ今年のLFJについて思ったのは、ツイッターを通してファン同士が待ち合わせの約束をする光景が目に付きましたね。去年まではよくわからないのですが、今年はなんかやたら多かった。でもLFJが出会いの場になるというのは、いいですね(笑)。これがきっかけとなってファン同士で「ラ・フォル・ジュルネ婚」みたいになったら、もっといいですね(笑)。そうなったら媒酌人はルネ・マルタンにやってもらわないと(爆)。
 さて来年のテーマが発表になっておりまして、作曲家や場所など特定のテーマを絞らず、これまでのLFJの総まとめみたいなものになるようです。本家ナントでアメリカ音楽が特集されることと比較し、ネット上では「残念」という声もあるようですが、個人的にはいい演奏が聞けたらオッケーであります。もっともナントでのプログラミングには興味があります。今年ロンドンのサウスバンク・センターで行われている「The Rest Is Noise Festival」のように、音楽評論家アレックス・ロスの著書の影響下にある選曲になるのか。それとも「Français en Amérique」よろしく、フランスから見たÉtats-Unis(USA)音楽観を新たに提示するのか。そういえばアメリカのフランス人といえばエドガー・ヴァレーズですね。

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