「百万ユーロ・トリオ」と呼びたくなるキーシン/クニャーゼフ/マルコヴィチのピアノ三重奏
普段ならウェブラジオの感想をmixiに書くところですが、今日はスリリングなライヴが聞けたので表ブログの方に。
今月14日「モンペリエ音楽祭」でのシルヴィア・マルコヴィチ、アレクサンドル・クニャーゼフ、そしてエウゲニ・キーシンの3人によるピアノ・トリオの演奏(→公式サイト)を本日「France Musique」で聞いたのですが、まずキーシンがピアノ・トリオをやるというのが新鮮。キーシンの室内楽って意外というか正直ピンとこない。ネット情報だと時々やってはいるみたいですが、少なくとも私が聞くのは今回が初めて。そしてキーシンと絡むのがクニャーゼフ!あの圧倒的な存在感のチェロはキーシンと十分に渡り合えそう。そしてそんな2人と共演するヴァイオリンのマルコヴィチ。CDこそ少ないですがわたし大好きです。まだ彼女のことをご存じでない方は、YouTubeにあるサンサーンスやラロ「スペイン交響曲」をどうぞ。
ということでちょっと珍しい組み合わせの3人による室内楽だったのですが、ソリストたちの強い自己主張が良い方向に働いて、音楽に「動き」と「躍動感」を与えていましたね。メンデルスゾーン「第1番」のフィナーレは3人がお互い「煽ってる」のが伝わってきましたし。後半のチャイコフスキー「偉大な芸術家の思い出に」は、部分的には3人の個性が「モロ出し」なのに、不思議と音楽には一体感があるという。これぞ「一期一会」的室内楽の醍醐味といいますか。レコード黄金時代に「百万ドルトリオ」(ルービンシュタイン/ハイフェッツ/フォイアマン→ピアティゴルスキー)というのがありましたが、ちょっとそれを思い出しましたね。21世紀のヨーロッパなので「百万ドル」でなく「百万ユーロ・トリオ」と呼んでみたくなりました。もっとも3人のうち2人はロシア出身なのがナンですが(苦笑)。個人的にはこの3人でぜひ来日公演をお願いしたいところです。
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