プロコフィエフの未発表曲「スポーツ選手のための音楽」 初演
(写真)アレクサンドル・ロドチェンコ 「リズム体操」 (1936)(※)
プロコフィエフの未発表作品「スポーツ選手のための音楽」(英題:Music for Athletes)が本日(日本時間)、米国のプリンストン大学で初演されます(参照)。この音楽はスターリン時代の1939年に開かれたスポーツ祭典のために作曲されました。このイベントでは当初スタジアムに3万人のアスリートを集めて、プロコフィエフの音楽とフセヴォロド・メイエルホリドの演出・振付による集団演技が披露される予定でした。しかしメイエルホリドの逮捕・粛清により企画は中止され、付随音楽も「お蔵入り」となりました。
モスクワの「国立ロシア文学・芸術文献保管所」(RGALI)に眠っていた楽譜は、プリンストン大学のサイモン・モリソン(Simon Morrison)教授によって2006年に発見され、同教授の手で演奏可能な形に再構成されました。このピアノ譜をコンサートではイリア・イチンが演奏します。また当初のプランを意識してか、プリンストン大学のダンス・アンサンブルも初演に加わります(大学の公式サイトに画像アリ)。
音楽自体はファンファーレで始まり、「ヨハン・シュトラウス風の」ワルツを挟んで律動的な音楽になるということで、ひとことでいえば「愉快な作品」なのだそうです。同時期に作曲されたバレエ音楽「ロミオとジュリエット」を連想させる、ともあります。
The comments to this entry are closed.
Comments