シベリウス21面相
世の中には面白いことを考える人がいるものですねぇ。シベリウス「交響曲第5番」の終結部を17人の指揮者、21種類の録音で聞き比べてみよう、という動画ファイルを作った人がいるんですね。
「庭は夏の日ざかり」で知ったのですが、これぞまさに「職人芸」といいますか。クラヲタの「ツボ」を心得てますな、この職人さんは。私も眺め聞きながら楽しんでしまいました。まあ「楽しんだ」といってもアハハと笑ったわけでなく、この個性的で印象的な「最後の数小節」をマエストロたちがどう処理しているのか、聞いていてそこが面白かったのですけど。
スコア(from IMSLP)を見て頂くとわかりやすいかと思うのですが、この終結部の解釈のポイントは2つあります。ひとつは全休符や2分休符などをどう表現するか。アッチェレランド気味に次の音符へと急ぐ演奏もあれば(コンドラシンはちと急ぎすぎか:笑)、それとは逆にじっくりと「ためる」指揮者もいます。動画のなかで一番「ためて」たのはラトルかな。私の記憶の中では、サロネン&フィルハーモニア管の録音(→米アマゾン)も結構「ためて」いたような。
もうひとつの解釈ポイントは、ティンパニの装飾音。短く「トゥルン!」と畳みかけるか、それとも装飾音を意識するかのように、ややゆっくり目に「トントン!」と叩くか。私は後者が好みなんですが、ザンデルリンク、ラトル、ベルグルンド、ブロムシュテット、ヴァンスカといったところが装飾音を強調しています。あと前述のサロネンの演奏も、かなりゆっくり目にティンパニを叩かせています。
フィルハーモニア管の録音ではありませんが、80年代にスウェーデン放送響と共演したサロネンの「シベ5」の動画がYouTubeにあったので、それを張っておきます。
こうやって聞いてみると、サロネンのシベリウスなかなかいいですね。つーかようつべで全7曲の動画が見られるってどーゆーこと!?
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