シュムスキーのクライスラーに癒されて
オスカー・シュムスキーが1980年代に立て続けに録音したクライスラーのヴァイオリン曲集が、先日4枚組CD-BOXという形で再発されました(→amazon.co.uk)。英「グラモフォン」誌の最新号(2009年5月号)でRob Cowan氏が取り上げていたのを見て、わたしは即座に購入を決断、そしてアマゾンのボタンをクリック。自宅に届けられてからはもうずっと聞いてます。
この演奏を初めて聞いたのは、もう15年くらい昔になるでしょうか。その頃はLP(アナログ盤のことです)を意識的に収集していた時期で、シュムスキーのクライスラーは1枚1000円代前半と比較的安価で店頭に並んでいたこともあり、本当に何気なく購入したのです。で家に持ち帰り針を下ろしたら、眼前に現れたシュムスキーのヴァイオリンは私にそっと耳打ちするかのような、優しい語り口でした。そして、その優しさが私の心にスッと入って来ました。私事になりますが、ちょうどその頃私は大失恋をいたしまして(笑)結構しんどい時期だったのですが、傷心気味だった当時の私にはシュムスキーの演奏は実にしっくりと来るものでした。もうほとんど毎日のようにクライスラーのレコードを取っ替えひっかえして聞いていましたね。本当にこの時期は、彼の音楽に助けてもらったような気がします。
時は過ぎ、わたしは気だけは若いオジサンになりました(笑)。色々と思い通りに行かず、腹を立てたり落ち込んだりしていますが、そんな私は今もなお、シュムスキーの音楽に慰められています。どうやら私は、まだまだ音楽に助けてもらう必要がありそうです(笑)。
このCD-BOXに収録された曲はどれもいいのですが、特にコレ!といえるものはドヴォルザークの編曲もの。今や「ユモレスク」をこんなにゆったりと心地よく演奏することのできる奏者は、この世にいないでしょう。あと個人的に好きなのは「コレルリの主題による変奏曲」。端正な中に温かみのある音楽表現がすばらしいです。
The comments to this entry are closed.
Comments
drrobさまこんばんは。
>かつてASVから出ていたバルサムとのモーツァルトのソナタ集とかまたでませんかね.
今回リリースされたクライスラーが売れたら、再発されるかもしれませんね。
そういえば、上記エントリーで触れたクライスラーのアナログ盤も、「ASV」から発売されてたものでした。
Posted by: おかか1968 | 2009.04.27 18:12
おおシュムスキーいいですね.
かつてASVから出ていたバルサムとのモーツァルトのソナタ集とかまたでませんかね.
Posted by: drrob | 2009.04.27 10:46