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2009.04.27

有楽町で観ることができない映画たち

 「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」本公演まであと7日となりました。マスタークラス展示ホール(リューベック広場)といった、有料公演チケットを持っていれば入場できる無料イベントのプログラムも続々と明らかになっています。あと屋台村脇のキオスクに出演するアーティストも明らかになっていますが、新村理々愛さんも出るんですね。「題名のない音楽会」などのテレビ出演で既にお馴染みの存在ですが、一度生で聞いてみたいと思ってたんですよ。彼女はMCも面白いので、そちらの方にも期待してみたいと思います。
 そしてこれも毎年恒例、映画上映もあります。今年はバッハにちなんだ映画とのことですが、上映されるのは「Mein Name ist Bach」(日本初公開)、タルコフスキーの「鏡」、ベルイマンの「サラバンド」の3本ですか。バッハの映画といえば私が真っ先に思いつく「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」(または「年代記」/→アマゾン)が上映されないのはちょっと寂しいです…。あと「無伴奏『シャコンヌ』」(1994)という、バッハが効果的に使われている映画があって、私は未見ですが「いつかコレ観てみたいなぁ」とずっと思ってるのです。アマゾンのカスタマーレビューも、ものすごく熱烈なものばかりですし、DVD化を待望するファンも多いようです。もしこれが上映されたら、喜ぶ映画ファンがたくさんいたと思うのですが。

 あとこれはややマニアックですが、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の短編映画「G線上の幻想」(1965)もあります。バッハの「幻想曲とフーガ ト短調」(BWV542)に付けられた映像が、なんともシュールで、なんとも印象的。これはYouTubeにもありますので、興味ある方はとりあえずどうぞ。

 私は映画に詳しくないので、シュヴァンクマイエルの映画史上における位置づけ(ティム・バートンやテリー・ギリアムに影響を与えたらしい…)についてはちんぷんかんぷんですが、インパクトのある映像であることは、誰の目にも明らかだと思います。バッハの音楽に合わせて次々と映し出される、様々なかたちの穴、扉、そして窓…。この映画は、共産主義政権下のチェコスロバキアで制作されたものです。もしかして、シュヴァンクマイエルが描いた穴や窓の数々は、閉塞した空間から外の世界を眺めるための「のぞき穴」「のぞき窓」だったのでしょうか、などと思ったり。

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