【速報】大植英次のショス5 所要時間約56分【参考記録】
いやー、やっぱりネチっこく来ましたねエージ。早起きして「NDR Kultur」のウェブラジオでハノーファー北ドイツ放送フィルの生中継を聞いてたんですけど、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」は、昨今の大植英次の「変化」が如実に表れた演奏だったと思います。
否、本当に大植英次は今になって音楽を変えてきたのでしょうか。実はその「変化」というのは、数年前から徐々に現れていたように私には思えます。彼が同じハノーファーのオケを2007年4月に振った演奏を、2年前の私はmixiにこう記しました;
「ベルギーMusiq3でドヴォルザーク『交響曲第7番』などを聴く。大植の音楽はいつもながら安定感があって手堅い。そして楽譜に記された音隅々に目配せし、それをきちんと音にする『力』が以前より増したようだ。『構成力』に凄みが出てきたというか」
「しかし私がドヴォルザークに求める『機動力』というか、音が揺れ、激しく動くような『躍動感』には乏しかった。一言でいえば、まるでブルックナーを演奏してるみたいだった」
(以上2007年5月23日 mixi内:おかか1968の日記から)
2年前のドヴォルザークと同じ音楽的傾向を、わたしは昨日のショスタコにも感じました。より重厚な音楽表現を志向している彼の特徴がよく現れた演奏だったんじゃないかなぁ、と。野球じゃないけど俊敏な機動性でかき回す「スモール・ミュージック」でなく、ドカーンと一発!重厚長大な方向だと思いますよ最近の大植英次は。
…ということを念頭に置きつつ、それにしても粘っこいショスタコだったことよ(苦笑)。今手持ちのCDをかき集め、全曲演奏時間を調べてみましたけどコンドラシン約42分、ムラヴィンスキー約44分、比較的遅めの演奏をするザンデルリンクでも約50分半です。曲を終えるのに56分を要した大植英次の演奏がいかに長尺であったかが、判っていただけるのではないかと思います。特に粘っこかったのが第3楽章。手元の計算だとエージはこの楽章に約18分半かけているのですが、なかでも中間部が顕著に遅かったですね。ヴァイオリンのトレモロが「トレモロ」としてでなくて、フツーに一音一音を弾いてるみたいに聞こえてくるんです。幾ら緩徐楽章とはいえ、こんな感覚はそう滅多に味わえるものではありません。このあとも止まりそうなほど遅いテンポでのギリギリの音楽が、果てしなく続くわけです。ヘッドホン越しに聞いていた私は、相当緊張を強いられました。実際に会場で聞いていた方は、私以上の緊張感を味わったことでしょう。
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