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2008.11.15

コロンバス交響楽団 広上淳一氏を解任

 昨日コロンバス交響楽団は、音楽監督を務める広上淳一氏の退任を発表しました。

Columbus Dispatch. Symphony dismisses music director.

 今年同楽団を襲った経営危機の際には、事あるごとに楽団事務局の姿勢を批判していた広上さんです。楽団側は「今回の人事は『解雇』ではない」と述べていますが、任期をあと1年残して、楽団員たちに慕われ、音楽ファンや批評家たちの評価も高い指揮者が辞めるというのは、実質「解任」といって良いでしょう。実際、広上さんは楽団宛に送った退任受諾の手紙の中で「楽団事務局から解任を求める手紙が来た」と述べています。 

 コロンバス響の経営危機について日本では、一般紙はおろか音楽関連のマスコミも完全に沈黙したままでした。ですから多くの日本の音楽ファンにとって、今回の決定は唐突に感じられるかもしれません。ということで、これまでのいきさつについては、以下の記事をご覧ください。

コロンバス交響楽団のサポーターズサイト「symphonystrong.com」
↑経営危機に瀕した地元楽団を物心ともに支援すべく、草の根グループが立ち上がったことを伝える記事。事務局が提案した、厳しい協定案についても記しています。

コロンバス交響楽団 活動休止か
↑労使間の交渉がまとまらず、「もしかして楽団消滅か!?」と報じられたときもありました。

コロンバス交響楽団 労使協約が締結されるも広上淳一氏の去就は不透明
↑結局9月下旬にようやく労使協定が締結されました。あと労使間の協議のなかで、楽団事務局が「広上氏の退任」を強く要求していたことが明らかとなっています。結局今回の決定は、事務局サイドの圧力に対し「やむを得ず…」ということなのでしょうか。

 同楽団の首席クラリネット奏者のDavid Thomas氏は、楽団員ブログのなかで「今日は音楽家として、とても悲しい日となった」「賃金はカットされ、演奏活動が縮小され、さらには愛すべき音楽監督である広上淳一氏が解任されるという事態に至った」と述べています。これが団員たちの気持ちを代弁しているような気がします。

 HMVでは広上さんとコロンバス交響楽団によるチャイコフスキー「交響曲第5番」のリリース告知が出ています。「広上の時代が始まった!」という見出しが、なんだか悲しい。そんな週末となってしまいました。

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