続・iTunes Storeで手に入る1500円全集の一覧
昨日「iTunes Store」でのDGの全集セットのバーゲンをお知らせしたところですが、昨日記事をうpしたあと再び激安アイテムを探してみたら有るわ有るわ…。フルニエやらガーディナーやらマルケヴィチやら、CD-BOXなら数千円、ものによっては1万円以上もするアルバムが、今ならびっくり価格の1500円で手に入るのですよ!この大廉売、いつまで続くかわかりませんので、興味を持たれた方はお早めにダウンロードすることをオススメいたします。ということで、新たに発見したタイトルは「iTunes Storeで手に入る1500円全集の一覧」リストに追加いたしました。
ところで昨日私は、F=ディースカウのシューベルト歌曲集、レヴァインが指揮したMETの「ニーベルングの指輪」、ピノックのモーツァルト「交響曲全集」の順に購入し、本当に一晩掛けてダウンロードしました(笑)。そりゃそうですよね。ピノックのモーツァルトはCD11枚分、「リング」は14枚分、そしてシューベルトに至っては21枚分のボリュームなのですから(爆)。全部合わせるとCD46枚分!それがたったの4500円ですよ!アップルから届いた明細のメールを見て拍子抜けしましたよ。というか「ケタ1つ間違ってないよね!?」と目を懲らして見ちゃいましたから(笑)。
ダウンロードを終えたあと、パラパラとつまみ聞きしてみました。「やっぱジェームス・モリスのヴォータンはいいなぁ」とつぶやいてみたり、「ピノックのモーツァルトも聞き続けると飽きないなぁ」と思ったり。しかしここで語るべきはやはりフィッシャー=ディースカウでしょう。彼が最後の来日公演で「冬の旅」を披露したのはいつだったでしょうか。恐らく今日まで20年は経過しているでしょう。そのあいだに歌曲の歌い手たちは世代交代しましたし、その歌い方も時代の変化を受けました。「ミューズの子」(D764)も今の歌手ならもっとピョコンピョコンとした感じで跳躍感を強調する歌い方をするところですが、F=ディースカウはメロディラインを聞き手に提示することにのみ専念しています。ストーリー仕立ての「魔王」(D328)でも同様です。私はこの数年「ブレヒト歌い」ばりにシャウトする歌手やホラー的な描写を強調したがる歌手たちを目にしてきましたが、F=ディースカウの「魔王」には寸劇は存在しません。そこには音楽のみで完結された世界を表現しようとする、強い意志だけがあります。ひと言で言えば、今の「シューベルト歌い」が「俳優」であろうとするのに対し、F=ディースカウは「歌手」としてのアイデンティティに拘り、そして「歌手」で在り続けたのだと思います。
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