ウィーン国立歌劇場 EURO2008のために興行成績悪化&公演中止
今日付の朝日新聞(電子版)に、こんな記事を見つけました↓
サッカーには勝てず ウィーンの国立歌劇場公演中止
2008年6月18日10時25分 【ウィーン=関本誠】
ウィーン国立歌劇場は17日、サッカー欧州選手権の決勝がウィーンである29日のバレエ公演を中止すると発表した。サッカーファンとのトラブルを避けるためとしているが、同選手権が始まった今月上旬から同歌劇場の観客数がかなり落ち込んでいる。「音楽の都」もサッカーには勝てず、異例の中止に追い込まれた形だ。
同歌劇場の昨シーズンのチケットの売れ行きは完売に近い平均98%。だが、今月16日の公演は今シーズン最低の71%を記録。この日はオーストリア対ドイツ戦があり、自宅でテレビ観戦する人も多かったようだ。ウィーンで準々決勝がある20日のオペラ公演の残り席は全体の4割を超す750席以上。他のほとんどの公演で数百枚単位でチケットが売れ残る異例の事態だ。
ウィーン市は経済効果を期待し、中心部の同歌劇場近くに大型スクリーンで試合を生中継する会場を設置。混雑やトラブルを避けるため、試合がある夜に中心部への外出を控える人も多く、同歌劇場があおりを受けたようだ。
同じニュースをAFPも報じているのですが、こちらでは「20日の『運命の力』の公演が71%しか売れてない」と書かれています。
「Vienna Classic Online Tichet Office」の「Staatsoper」の項目を見ても、明日(19日)の「ドン・カルロ」と21日の「カプリッチョ」以外は「残席アリ」とあるので、報道は事実のようですね(ちなみに中止となるのは29日の「ラ・バヤデール」)。そうですかー、「トラブルを避けるため」というのもあるのかもしれませんが、毎日ウィーンで試合やってるわけではないですからね。おそらくオーストリア国民のほとんどは、連日ユーロを会場なりパブリック・ビューイングなりテレビなり、どこかで観戦しているのですよきっと。今回は「オペラがサッカーに客を奪われた」という部分も多分にあるのではないでしょうか。それにサッカーファンとオペラ好きというのは、案外ダブっているのかもしれませんしね。まあ次にヨーロッパでサッカーの大きな大会が開かれたとき、開催国の歌劇場は公演をやるかやらないか、もしやるとしても集客を図るために演目やキャスティングに大いに悩まされることになりそうです。もう「3大テノール」は出来ないし。
あ、「3大テノール」といえばホセ・カレーラスが昨日、バルセロナで歌手生活50周年リサイタルをやってましたね。私ユーロの「フランス対イタリア」戦を見ながらウェブラジオで聞いてました。「ずいぶん年取った声になったなぁ」「でもキチっとした声だなぁ」「しかしアンコール何曲やるんだ」とか思いながら。それをこの時期にウィーンでもやっていれば、はたして客の入りはどうなっていたのでしょうか。
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