カルミナSQの新譜
カルミナ四重奏団といえば、90年代DENONレーベルからリリースされた数多くの録音で、日本のファンにもおなじみではないでしょうか。その確かな技術に裏打ちされた深い芸術性は、日本のみならず世界中の愛好家を魅了し、シマノフスキのディスクは1992年「グラモフォン賞」(室内楽部門)を受賞しました。同楽団のアルバムの多くは再発&低価格化され、今でも手軽に入手することが出来ます。個人的な「お気に入り」のシェック「ノットゥルノ」(バリトンのオラフ・ベーアと共演)が廃盤なのが惜しまれるところですが。
そんなカルミナ四重奏団も音楽不況のあおりを受けたのか、一時期新録音がばったりと途絶えてしまいました。ただ時折ウェブラジオで彼らの演奏に接する機会はあったので(クロスオーヴァー的な活動もやってましたね)、それらに耳を傾けながら、「ああ、スイスで元気にやっているみたいだな」と嬉しく思ったりしていました。
今年に入って「カルミナQが10年ぶりにDENONとセッション録音!」「しかも田部京子と共演!」という吉報が届き、私は「まだか」「まだか」とリリースを心待ちにしておりました。そしてようやく店頭で新譜(写真:アマゾン/HMV)を目にするや、すかさずゲットしたのですがコレは素晴らしい!何という瑞々しさ!音が華やかなアロマを放っています。しかも気品漂う佇まいも感じられ、実に味わい深い雰囲気であります。それにしても元々が外向的な性格のシューベルト「ます」はともかく、シューマンの「ピアノ五重奏曲」をこれほど「華」のある演奏に仕上げるとは…。意外でもあり、興味深くもあり、ともかく見事です。
「レコード芸術」誌最新号(2008年6月号)によると、カルミナ四重奏団は今後バルトークなどを録音する計画があるそうですので、今後どんな演奏を聞かせてくれるのか、とても楽しみです。
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Comments
そうでしょ!これはヒットでした。
来月の生演奏、どうか楽しんで来て下さいね。
Posted by: おかか1968 | 2008.05.28 07:24
いや、これ、本当良いです。
東京在住の地の利を生かして、浜離宮のコンサートに行って参ります。
カルミナは、実は、最近一番すっげぇと思ったのは、モーツァルトのクラ5だったりしますが。
Posted by: ガーター亭亭主 | 2008.05.26 23:37