パヴァロッティのトリノ五輪開会式でのトゥーランドットは口パクだった
…と、当日会場で共演した指揮者のレオーネ・マジェーラが告白しているそうです(参照1、同2)。
マジェーラ氏が最近書き記した本「Pavarotti, Visto da Vicino」(「近くで見たパヴァロッティ」)によると、開会式当日に我々が耳にした「誰も寝てはならぬ」の声は、実際には本番数日前にモデナのパヴァロッティ邸内のスタジオで収録されたものだそうです。さらには「生中継」だと信じ込んでいたテレビの映像は、式典直前に会場で収録されたビデオ映像だったといいます。会場では歌手とオケは実際に姿を見せていたものの、当日選手達が目にしていたのは、スピーカーから流れる壮麗なサウンドと声に合わせて、音楽家たちが体と口を動かしている姿だったのです。
そのことを念頭に入れた上で、五輪開会式での「誰も寝てはならぬ」をご覧下さい。
今回明らかになったエピソードについて、パヴァロッティや共演者たち、そして五輪関係者を責めるのは酷だと、私は思います。2006年当時、パヴァロッティは車椅子生活を強いられるほど衰弱していたそうです。それゆえ上記の一連の行いは、開会式での「事故」の発生を未然に防ぎ、滞りなく式を遂行させるための「苦渋の選択」だったと理解したいです。でも正直、知りたくなかったですけど。
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