« カラヤンの大阪ライヴが素晴らしすぎる件 | Main | Frohe Weihnachten! »

2007.12.24

クリスマス・イヴに「無名名曲」を聴く

 「無名名曲鑑賞会」(鈴木康之、矢口正巳共著、文化書房博文社)というタイトルの本があります。巻末に「1994年6月30日 第一刷」とあるので、10年以上前の著作物ということになります。この本では(題名から推察される通り)普段余り聴く機会に恵まれない「隠れた名曲」76曲が紹介されていて、駆け出しのクラヲタだった頃の私は「へぇ、こんな曲があるのか」「クラシックって奥が深いなぁ」と感心しながら読んだ思い出があります。この本を先日自宅に立ち寄った折に持ち帰り、ほぼ10年ぶりに読み返してみたのですが、一昔前の「無名名曲」というのは今でも「無名」のままなのだ、ということを痛感してしまいました。この本で取り上げられている76曲のうち、「メジャー」に「昇格」した曲といえばショスタコーヴィチの「ヴァイオリン協奏曲第1番」しか思い当たりません。というか十年前はこの名曲も「無名」扱いだった、ということに軽いショックを覚えたのですが。
 ともあれ著者たちの「クラシック音楽愛」にあふれる筆致で埋め尽くされたこの本を読むうちに、同書で紹介されている「無名名曲」が無性に聴きたくなってしまいまして、「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」(※:有料、要登録:以下NML)で色々と聴いてみました。サンサーンスの「オルガン付」をもう一歩シリアスに「深化」させたようなウィドール「交響曲第3番」(→NML)にはいたく感銘を受けましたし、アメリカの作曲家アーサー・フットの「ピアノ三重奏曲第2番」(→)のフィナーレの洗練された筆致には感心させられました。そしてマルトゥッチ「交響曲第2番」(→)では曲自体もさることながら、このシンフォニックな曲の魅力を余すところなく表現したマレーシア・フィルの優れたテクニックにも舌を巻きました。これだけ立派にオーケストラ・サウンドを響かせるオーケストラは、日本でもなかなかお目にかかれないかもしれません。
 そうこうしてるうちに私の心の中にも私的な「無名名曲」があることに思い当たり、それらを立て続けに聞くことにしました。クルト・アッテルベリの「チェロ協奏曲」)、ステンハンマルの「ピアノ協奏曲第1番」(→)などを聞き進めながら、曲の価値を測る尺度には「有名」か「無名」かではなく、「いい曲」か「悪い曲」かしか無いのだな、ということを改めて実感した次第です。

|

« カラヤンの大阪ライヴが素晴らしすぎる件 | Main | Frohe Weihnachten! »

Comments

木曽さまこんばんは。

>マーケットプレイスで古本が5000円

そうなんですよね。定価は1980円ですから、約2.5倍のプレミアが付いてます。再販してもらいたいものですね。

Posted by: おかか1968 | 2007.12.28 20:41

おお、読んでみたいですね、この本。
いまamazonで検索したら、マーケットプレイスで古本が5000円でした・・・。
こりゃちょっと無理だなあ。

Posted by: 木曽のあばら屋 | 2007.12.27 22:52

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference クリスマス・イヴに「無名名曲」を聴く:

« カラヤンの大阪ライヴが素晴らしすぎる件 | Main | Frohe Weihnachten! »