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2007.12.19

ナントの「熱狂の日」音楽祭 プログラム発表さる(update)

Schubert_nantes2008 来年ナントで開催される「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭のプログラムが本日発表されました。詳細はこちらのpdfファイルをご覧くださるとして、いつも本家「熱狂の日」音楽祭のプログラムの何割かは、東京で開催される「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(5/2~5/6)と確実にダブります。ですからナントの傾向を知ることは、東京のプログラムを予想する上でとても重要なのです。ということで私も目を皿のようにしてプログラムを見渡すわけです。
 さて今回の最大の注目である「シューベルトにインスパイアされた作品」ですが…。「ピアノ五重奏曲『シャケ』」は見あたりませんし、「ピアノ五重奏曲『鮎』」もありません(苦笑)。プログラムには細川俊夫の「リート(ヴィオラとピアノのための)」、藤倉大の「フランツの伴奏」(“Accompanying Franz”)、そしてブルーノ・マントヴァーニの「バスクラリネット協奏曲」「8つの楽興の時」などの新作があります。それ以外にシューベルトと現代音楽とのコラボ作品の旧作として、ベリオの「レンダリング」、ツェンダー編の「冬の旅」、ブルーノ・マデルナが編曲した「軍隊行進曲」などが演奏されます。
 メインとなるシューベルト作品では、交響曲「未完成」が7回、「グレート」は3回演奏されます。あと2台ピアノのための「幻想曲」(D940)は6回、「ピアノ三重奏曲第2番」(D929)は8回。そして「ます」はナントで13回(!)演奏されます。ナントは「ます」が大漁ですな(笑)
 あとシューベルトといえば歌曲ですが、ナントの「熱狂の日」では「冬の旅」全曲はツェンダー編曲による管弦楽版のみ、「美しき水車小屋の娘」「白鳥の歌」は各1回のみ、しかも後者は全曲でなく抜粋です。沢山のコンサートがある中、歌手とピアノという編成のプログラムが10回、というのは多いか少ないかといえばやはりシューベルトとしては「少ない」と言わざるを得ません。「ルネ・マルタンは歌曲があまり好きでないらしい」という噂は本当だったのでしょうか。その一方で歌曲のピアノ・トランスクリプションが、やたらと演奏されます。
 「目玉」となるのは未完のオラトリオ「ラザルス」(2/1)でしょうか。どのようなエディションが用いられるのかも含めて、気になるところです。そしてベートーヴェンの一周忌の日(1828年3月26日)に行われた「シューベルティアーデ」のプログラムをそのまま再現した演奏会もあります(1/31)。
 シューベルトと同時代の作品も沢山演奏されます。ウェーバーにロッシーニ、それにメンデルスゾーン姉弟の曲もたくさん演奏されます。まあベートーヴェンのピアノ協奏曲4曲(第2番~第5番)や「ハンマークラヴィーア」が並んでいるのを見ると、「あれっ、今回のテーマは!?」と思わないでもないですけど。それからクラヲタ歴ン十年の私も見たことない名前の作曲家があったりします。「Bochsa」って誰ですか?ニコラ=シャルル・ボクサ(→Wikipedia)のことでしょうか。あとリンドペイントナー「木管五重奏のための協奏交響曲第1番」ってどんな曲でしょうかね。

 ここで本家ナントの「熱狂の日」に登場する主な出演演奏家の名前を挙げてみます;

●管弦楽団●
ロワール国立管(指揮:ダニエル・カウカ&ペーテル・チャバ)、ヴュルテンベルク室内管(同:ルーベン・ガザリアン&ダニエル・ロイス)、シンフォニア・ヴァルソヴィア(同:ヤツェク・カスプシク)、オーベルニュ管(同:アリー・ヴァン・ビーク)、ボルドー・アキテーヌ国立管(同:クワメ・ライアン)、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管(同:クリストフ・ポッペン)、ローザンヌ室内管(同:クリスティアン・ツァハリアス)、プラハ・カメラータ(同:パヴェル・フーラ)、レ・シエクル(同:フランソワ=グザヴィエ・ロス)、ブルターニュ管(同:オラリ・エルツ)、コンチェルト・ケルン、ポワトー・シャラント管(同:ジャン・フランソワ・エッセール)、ナント・ウインド・オーケストラ(同:フレデリック・オステル)Orchestre du 3ème cycle du Conservatoire de Nantes-Musique-Danse-Art dramatique(同:Valérie Fayet)

●合唱団●
ローザンヌ・ヴォーカル・アンサンブル(指揮:ミシェル・コルボ&ゴルカ・シエラ)コレギウム・ヴォカーレ・ヘント男声合唱団(同:クリストフ・ジーベルト)Éclats de voix(同:Gérard Baconnais)カペラ・アムステルダム(同:ダニエル・ロイス)ヴォーカル・アンサンブル・ド・ナント(同:Paul Colléaux)コーラス・ムジクス・ケルン&ノイエ・オーケストラ(同:クリストフ・シュペリング)アクサントゥス(同:ローレンス・エキルベイ)リチェルカーレ・コンソート/ケルン室内合唱団(指揮:ペーター・ノイマン)

●室内楽団体●
ショーソン・トリオ(ピアノ三重奏)プラジャーク弦楽四重奏団/ガルネリ・トリオ(ピアノ三重奏)ディアベッリ・アンサンブル(フルート、ヴィオラ、ギターおよびチェロの四重奏)アメデオ・モディリアーニ弦楽四重奏団/アンサンブル・ダ・カメラ・ド・ナント(フルート、ハープ、ヴィオラならびにチェロの四重奏)アタランテ・アンサンブル(ヴァイオリンとピアノの二重奏)イザイ弦楽四重奏団/ツェムリンスキー四重奏団/カザルス四重奏団/トリオ・ヴァンダラー(ピアノ三重奏団)エスカール・トリオ(ピアノ三重奏団)チェコ九重奏団

●歌手●
バーバラ・ヘンドリックス、ドンナ・ブラウン、ユッタ・ベーネルト、Nathalie Gaudefroy(ソプラノ)白井光子、Loré Lixenberg、Isabel Soccoja、Åsa Olsson(メゾソプラノ)ヤン・コボウ、ハンス・イエルク・マンメル、アンドレアス・カラシアク(テノール)ヴォルフガング・ホルツマイヤー、Thomas Bauer(バリトン)Guy-Étienne Giot、ステファン・ゲンツ、ステファン・マクラウド(バス)

●ピアニスト●
ロヴェ・デルウィンガー、ボリス・ベレゾフスキー、ジョルジュ・プルーデルマッハー、フランク・ブラレイ、クリスティアン・イヴァルディ、ジャン=クロード・ペネティエ、クリスティアン・ベザイデンハウト、Tünde Hajdu、ハビエル・ペリアネス、小菅優、クレール・デセール、エマニュエル・シュトロッセ、海老彰子、海老裕子、ミシェル・ダルベルト、ブリジット・エンゲラー、デジュ・ラーンキ、エディト・クルコン、Antoine Dessen、シュ・シャオメイ(朱曉玫)、シャニ・ディリュカ、アンヌ・ケフェレック、アレクサンドル・タロー、ジャン・フレデリック、アラン・プラネス、アンドレイ・コロベイニコフ、フィリップ・カッサール、フランソワ・キリアン、Lidija Bizjak、Sanja Bizjak、イド・バル=シャイ、仲道郁代、ジャン=ルイ・ハーゲナウアー、マルクス・グロー、ニコライ・ルガンスキー、クリスティアン・ツァハリアス、ジャン=フランソワ・エッセール、アンドレアス・シュタイアー、ポール・ルイス、プラメナ・マンゴヴァ、田部京子、マリー=ジョゼフ・ジュード

●弦楽奏者●
ジェラール・クラム、ドミトリー・マフチン、庄司紗矢香、レジス・パスキエ、オリヴィエ・シャルリエ、樫本大進、イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)Arnaud Thorette、Elina Pak、井上典子、ジェラール・コセ、今井信子(ヴィオラ)アレクサンドル・クニャーゼフ、ソニア・ヴィダー・アサートン、アンリ・ドマルケット、Jean-Marie Trotereau、ミハル・カンカ、ロラン・ピドゥ、ジャン=ギアン・ケラス、タチアナ・ワシリーエワ、クサヴィエ・フィリップス(チェロ)マルク・マルデル、Stéphane Logerot、Pénélope Poincheval、ヴァンサン・パスキエ(コントラバス)Michel Grizard(ギター)

●管楽奏者●
ジュリエット・ユレル(フルート)ラファエル・セヴェール、マーティン・フロスト、Toni Salar-Verdú(クラリネット)アラン・ビラール(バスクラリネット)

●その他●
Tchi-Tchi (ジャズ)Amnesia (ロック)Moody Nation (エレクトロ・ポップ)Spoonlight(ポップ・ロック)Les vilains voisins (ロック)Rapacité (ラップ)レゲネイズ(トリニダード・トバゴのスティールバンド)テレム・カルテット(ロシア民族音楽アンサンブル)Ensemble de harpes de l’École de musique de Saint-Herblain(ハープ・アンサンブル、指揮:Armelle Gourlaouën)

(以上おおよそ出演順)

 こうやって挙げてみると、「随分多くの演奏家が出演するものなのだなぁ」と思うと同時に「果たしてこのうち何人が来日してくれるのだろう」と、つい考えてしまうのですけど。それにしてもピアニストの陣容の豊富さはどうでしょう。「ラ・フォル・ジュルネ」の「常連」といえる演奏家の中に交じって、クリスティアン・イヴァルディ、クリスティアン・ツァハリアス、ハビエル・ペリアネス、シュ・シャオメイなどの名前が見られます。弦楽奏者ではオリヴィエ・シャルリエ、ソニア・ヴィダー・アサートンなどの「隠れた名手」たちが出演します。
 あと「熱狂の日」恒例の「変わり種」系として真っ先に挙げられるのが、スチールドラムのバンド「レゲネイズ」によるシューベルトです(2/1, 3)。スチールドラムが演奏する「魔王」を聴きたいと思う方は、かなり「熱狂の日」病に冒されている方だと思います。私もその一人ですので分かります(笑)。ようつべで彼らの演奏を見ましたが、決して「キワモノ」ではなくて、なかなかのテクニックの持ち主のようです。果たして来日してくれるでしょうか。あとはロシア民族音楽アンサンブル「テレム・カルテット」もシューベルトに果敢に挑戦します。バヤンやバラライカを伴奏に従えて、シューベルトの歌曲がどのように響くのでしょうか。YouTubeにある、ウラディーミル・チェルノフと共演したときの映像を見ながら、「シューベルトもこんな感じになるのかな」と思ったりしていますが。


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