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2007.12.31

回顧・ざ・くらしっく2007(5)- 2007年 このコンサートが良かった!

 一つ前のエントリはCDの「マイベスト」でしたが、今度は「コンサート編」です。今年は例年以上に、コンサート会場に足を運んだような気がします。そんな中私が気づいたことが一つあります。それは「感動はチケット代の高さとは無関係」ということです。諭吉さん数枚分をはたいて海外オペラの来日公演に出かけて、それなりに本場の雰囲気は味わいましたし、「やっぱり一級品だなぁ。違うなぁ」と感心することしきりだったのですが、それと同時に、どうしても「チケット代5万円相当の感動」を求めてしまうんですよね。脳内がそんなムードに支配されてしまうともうダメ。眼前の舞台に没入できなくなっちゃって、些末な「アラ」探しを始めてしまうんですよ。そして「どうしてアソコでコケるんだマルシャリン」とか「エージェントスミスというか、全員タモリだよ」とか「ここでいきなりパペットショーの始まりですか」とか、そんなことばかり考えてしまうのです。いけませんねこれじゃ。ホント「お里が知れる」とはこの事です。こういう場所ではもっと鷹揚に構えないとね。
 というわけで私的コンサートのベスト3を挙げてみます。

①ミシェル・コルボ指揮ローザンヌ声楽アンサンブル他(2007.5.3;有楽町)
②ユベール・スダーン指揮東京交響楽団他(2007.11.18;川崎)
③ヴァレリー・アファナシエフ(2007.12.1;名古屋)
(以上順不同)

①は「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」公演の一つ(#214)。当ブログで以前「アクサントゥスが良かった」と書いたが、今はコルボの演奏の方が、より記憶に残っている。「お祭りモード」のこの音楽祭だけど、コルボらによるフォーレ「レクイエム」のときだけは、まるで東京国際フォーラムからヨーロッパの大聖堂に瞬間移動したような、そんな雰囲気になった。そんな「宗教的」としかいいようのない独特なムードの中、流れる天上的な音楽。身ぶるいしそうなほどの緊張感が忘れられない。

②噂には聞いていたけど、ミューザ川崎っていいホールですね。音が良いのはもちろんだけど、このホールの長所は「安い席でも良い音で聞ける」ことだと思う。普通コンサートホールでオルガンの脇の席といえば、大体音がしょぼくなるんだけど、このホールはそんな席でも音場が豊かに感じられる。しかも座席とステージとの段差が高くないせいか、アーティストとの距離が近くに感じられる。サッカー専用スタジアムの最前列にいるような「臨場感」がある。「サッカー」で思い出したけど、川崎フロンターレって東京交響楽団の賛助会員(スポンサー)の一つなんですよね。
 なんかホールばかり褒めてるけど、演奏もスリリングで良かったですよ。精緻なアンサンブルと畳み掛けるような躍動感が、とても印象的でした。

③楽しい気分にさせてくれるコンサートは数多あれど、公演終了後にぐったりとするほど疲労感の残るコンサートってのは、そうそうあるものではない。アファナシエフのオール・シューマン・プログラムが正にそれだった。
 アファナシエフは「子供の情景」の冒頭部を、実に決然とした調子で始めた。その後も一貫してシリアスな表現描写を続けていく彼の演奏に、観客に媚びるような表現は皆無だ。「トロイメライ」はまさに「夢」のようだった。というより精神分析家が患者から夢の断片を聞き出していくような、そんな趣きがある。そして最後の曲「詩人は語る」の暗さといったら…。まるでカタコンブだ。「おもちゃの博物館に入ったら、実はお化け屋敷でした」みたいな感じ。あるいは「本当は怖い子供の情景」といったところか。
 そして私をひどく痛めつけたのは、2曲目の「幻想小曲集」(Op.111)だった。この曲集の3曲目(ハ短調)は元来、晩年のシューマン独特の「暗さ」を持った作品だ。そしてその「暗さ」を「絶望感」にまで推し進めていったのが、この日のアファナシエフだった。しかも何の手加減もなく、情け容赦もない。その血も涙もない最上級の「絶望感」に、私の心は打ちのめされてしまった。これほどまで暗い演奏を目の当たりにしているうちに、普段心に閉まったままにしていたイヤなこと、思い出したくないこと、果てには今私に起こっている問題など、そんなことが色々と頭の中に浮かんできて、本当に困った。心の中を棒でつつかれてかき回されたような感じだ。この曲が数分で終わる曲で本当に良かった。さもなくば私は前後不覚に陥っていたかもしれない。

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 さて、TVのニュースによると北日本は大雪だそうですが、東京は良い天気に恵まれました。それでは今から東京文化会館・小ホールで行われる「ベートーヴェン 弦楽四重奏曲連続演奏会」にお出かけです。うーん、いい天気だからアメ横を抜けて上野に行こうかな。

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Comments

HIDAMARIさま、あけましておめでとうございます。ご丁寧に挨拶してくださり、ありがとうございます。こちらこそいつも貴方のブログを拝見しております。ということで、今年もよろしくお願いいたします。

Posted by: おかか1968 | 2008.01.01 at 01:49

一年お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

Posted by: HIDAMARI | 2007.12.31 at 15:14

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