« エッシェンバッハとラン・ラン 北京五輪の会場へ | Main | とり急ぎチェルカスキー »

2007.10.29

たろーさんに会いたい…

Tharaud02

 …というわけで西宮北口まで行って参りましたよ。アレクサンドル・タローのピアノ・リサイタルに。


 私は彼の弾く「鏡」(ラヴェル)を事前にウェブラジオで聴いていましたが、昨日はそのとき以上に素晴らしいと感じました。スムーズな運指によって生まれるアルペジオは実に美しくて、ピアノという楽器のサウンドを超えた、もっと純粋な「響き」を感じました。そして繊細なタッチが紡ぎだす旋律は、流れるようなフォルムの音の造形物のようでした。このような質感のピアノ・サウンドをナマで聴いたのは、ホント初めてです。「海原の小舟」の研ぎ澄まされた音の輝き、そして「道化師の朝の歌」の躍動など、「鏡」は全般に渡って上出来でした。その前に演奏された「ソナチネ」は、リサイタル最初の曲だったせいか、第1楽章冒頭のトレモロの処理にもたついた感もあったのですが、曲が進行し指がこなれてからは滑らかな音に魅了されました。
 休憩後のショパン「ワルツ集」では、(属調や平行調といった)関係調の曲が隣同士になるよう、曲順に配慮して演奏していました。以前からタローさんは「曲順に凝るヒトだ」というイメージがあります。実際、前述のWebラジオで聴いたライブも「鏡」の1曲1曲のあいだに(ナント!)スカルラッティのソナタを1曲づつ挟み込む、という大胆なプログラミングでした。さすがに日本ではやりませんでしたけどね。
 あとタローさんは「曲順」だけでなく、「曲間」も大事にしているようです。彼の曲と曲との「間」の取り方が実に絶妙というか、さっさと次へと急ぐときもあれば、手をだらんと下に垂らし、うつむいたまま10秒以上も身動きひとつしない、というときもありました。その「間」が結構緊張感があって、音楽作りにも良い方向に働いていたようにも思います。そういえば昨日は「楽章間の拍手」をしないように、と会場入口に張り紙をしていましたね。曲間の拍手によって緊張感が途切れてしまわないように、という意図があったのでしょうね。


|

« エッシェンバッハとラン・ラン 北京五輪の会場へ | Main | とり急ぎチェルカスキー »

Comments

>タロー、良いですよねぇ。
いや、いいですねぇ。実にいい。

来年はケラスとのデュオですか。「ケラ太郎」(もしくは「タロージャン」)のコンビも楽しみでありますが、私的には欧州で頻繁に共演しているセペック&シュタイアーとのトリオが聴きたいです。

Posted by: おかか1968 | 2007.10.29 20:37

タロー、良いですよねぇ。東京では武蔵野で同じプログラムをやったらしいのですが、地元(に近い)にもかかわらずワタクシは、そちらは聞き損ねてしまいました。来年の来日が今から楽しみです。

Posted by: ガーター亭亭主 | 2007.10.29 07:35

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference たろーさんに会いたい…:

» アレクサンドル・タロー@王子ホール [ガーター亭別館]
王子ホールでのアレクサンドル・タローのリサイタルに行ってきました。タローを聴くの [Read More]

Tracked on 2007.10.29 07:33

« エッシェンバッハとラン・ラン 北京五輪の会場へ | Main | とり急ぎチェルカスキー »