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2007.09.22

ムーティが「楽章間の拍手」に一言

 指揮者のリッカルド・ムーティが、チャイコフスキー「悲愴」の第3楽章のあと会場から沸き起こった「楽章間の拍手」を制止させた、というニュースが伝わってきました。シカゴ響と「悲愴」を演奏中、輝かしい行進曲のあとで聴衆が拍手するのを目の当たりにしたムーティは、やにわに観客席の方へと振り返って静粛を促したあと、即興のスピーチを始めました。「コンサート会場では、音楽のメッセージに対して拍手するべきです。大音量のあとで拍手するべきではありません」と語り始めた彼は、「チャイコフスキーは『悲愴』を書いている間、これが絶筆になることも覚悟していました」と述べ、作品に対する理解と、それに相応しい「拍手」を観客に求めたのです。
 ナポリ出身の巨匠のメッセージが何を意味するかを敏感に感じ取ったシカゴの観客は賢明でした。第4楽章のコントラバスのかすかなパッセージが鳴り止んだあとに長い静寂を作り出すことで、ムーティの「意図」に応えたのです。

 静寂のあと、会場からは歓喜の大きな拍手が起こりました。ムーティは何度かオベーションを受けた後両手を挙げて、再び観客に静粛を求めました。その後彼は客席に向かって「皆さんの前に居るのは、世界でもトップクラスのオーケストラです」「オーケストラはシカゴの至宝です」と述べました。マエストロは最大級の賛辞をシカゴ響に贈ったのです。 

(参照)
Chigcago Tribune. Muti finds the time to conduct audience.(September 21, 2007)
2 Things @ Once. World Renowned Conductor Riccardo Muti Instructs the CSO Audience NOT To Applaud...And They Do Anyway. (September 20, 2007)

(関連記事)
「オーセンティックな拍手の仕方」(当ダイアリーの2005年2月20日付のエントリ)

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