カタリーナ・ワーグナー ティーレマンとタッグを組む
演出家のカタリーナ・ワーグナー(29)が地元紙へのインタビューの中で、指揮者のクリスティアン・ティーレマン(48)と共同でバイロイト音楽祭の次期総監督に立候補する意思を表明した、と今月24日付の「ガーディアン」紙が報じています(参照)。インタビューにはティーレマンも同席し、「ラトルにメータ、そしてケント・ナガノなど、バイロイトとこれまで無縁だった指揮者も招聘したい」と述べています。さらに2人は「バイロイトの演奏水準を向上させるためにアカデミーを設立したい」と、後進育成への意欲も口にしました。
カタリーナはバイロイト音楽祭の創設者にして、「楽劇」の創造主でもあるリヒャルト・ワーグナーの曾孫です。今年バイロイトに初登場し「マイスタージンガー」を演出したことで、カタリーナの父親でもある現総監督・ヴォルフガング・ワーグナー(88)の後継候補に浮上しました。しかし肝心の「マイスタージンガー」の演出が賛否両論だったこともあり、彼女の経験不足を不安視する声も上がっていました。一方ティーレマンのバイロイトでの業績については、ここで改めて語るまでもないでしょう。
ティーレマンには、「本当に、ほんとうにその人でいいの?」と、まるで結婚する娘を前にした両親のような一言を掛けてあげたいような気分です(笑)。それ以前に、この重要な時期になぜティーレマンがカタリーナに肩入れしたのか。そのあたりがイマイチ理解できんのです。もしカタリーナ以外の人物(具体的にはカタリーナの義姉エヴァ、若しくはいとこのニケ)がバイロイトの後継者になったら、バイロイトから放逐される危険性が高いですからね。あとティーレマンの発言には、現実味が欠けるところもあるように感じられます。彼がホントに「バイロイトの主」になったら、ラトルは益々バイロイトから足が遠のくでしょうし。ただ「バイロイト・アカデミー」構想は、ちょっとばかし気にはなりますね。
(関連記事)
FAZ.NET. "Der schöne Zwang, immer dasselbe zu machen." (インタビューの元記事:ドイツ語)
AFP BB News. ワーグナーのひ孫演出『ニュルンベルクのマイスタージンガー』で「第96回バイロイト音楽祭」開幕.(July 26, 2007)
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