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2007.09.19

アーセナルの次はロストロ

 今年4月に死去した音楽家、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(享年80)が生前に収集した450点もの美術品コレクションの全てを、ロシアの資産家が一人で買い占めて話題となっています。
 その人物の名はアリシェル・ウスマノフ氏。鉱山経営で財を成し、ロシアで18番目(「14番目」と書かれた記事もある)の大金持ちにのしあがった彼は、2週間前にロンドンのサッカークラブ「アーセナル」の株式の15%を、7500万ポンド(約174億円)で取得したばかりです。そんな彼が、ロシアの生んだ偉大な音楽家の遺品の数々にも目をつけたわけです。

 ロストロポーヴィチ、そして彼の妻ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(1926-)が亡命後の30年間で収集した品々は、今週サザビーズでオークションにかけられる予定でした。その「ロストロ・コレクション」の中には、エカテリーナ女王がかつて所有していた磁器、19世紀後半のロシアを代表する画家イリア・レーピン(1844-1030;→Wikipedia)の絵画22点、そして「ロシア革命以降で最も偉大なロシア絵画」とも評されたボリス・グリゴリーエフ(1886-1939;→Wikipedia)の絵画「The Face of Russia」、ストラヴィンスキー「春の祭典」の初演で衣装と舞台美術を担当したことでも知られるニコライ・リョーリフ(またはニコラス・レーリヒ、1874-1947;→Wikipedia)の絵画「The Treasure of the Angels」などが含まれていました。ウスマノフ氏はそれらの全てを入手するために(評価額を大幅に上回る)2500万ポンド(約58億円)もの大金を用意した、と噂されています。サザビーズは予定されていたオークションを取引開始前日に中止し、コレクションの全てがウスマノフ氏の手に渡ることとなりました。
 ウスマノフ氏は、今回購入したコレクションをロシア政府に寄贈する意思を表明しています。またロストロポーヴィチの遺族は、(結果的に)祖国に美術品が返還されたことを歓迎するコメントを出しています。

(参照)
Guardian. Rostropovich art hits high note at auction house. (September 7, 2007)
Guardian. Russian oligarch halts auction to buy complete Rostropovich art collection. (September 18, 2007)
BBC NEWS. Billionaire buys entire auction. (September 17, 2007)
Sydney Morning Herald. Cellist's $48m art trove for mother Russia. (September 19, 2007)
RussiaToday. Rostropovich’s art collection to belong to Russia. (September 18, 2007)
asahi.com. ロシアの富豪、故ロストロポーヴィチ氏のコレクション購入. (September 18, 2007)

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