真夏の夜のノクターン(3)
暑い日の夜だから、次は北欧音楽にしましょう、ということでシベリウスのCDを取り出す私。
CDプレーヤーのトレイに乗せたのは「ヴァイオリンと管弦楽のためのユモレスク集」(BIS; BIS-CD-472)。シベリウスといえば何といっても「ヴァイオリン協奏曲」が有名で、「ユモレスク集」はその陰に隠れた脇役的存在です。でもこの脇役たちが実に良い味を出してるんです。
6曲はそれぞれ異なった音楽的キャラクターを持っています。舞踊的な作品もあれば、シベリウスならではの瞑想的な曲もあります。どの曲も決してソリストのためだけのショー・ピースに陥らない、良く書けた音楽なのですが、曲の端々に「親しみやすさ」も感じさせます。このあたりにこの曲独特の魅力があるようです。
曲の魅力をさらに倍加させているのが、独奏のドン=スク・カンです。彼の甘美な音色のヴァイオリンは、耳にすごく馴染みますし、親しみやすい「ユモレスク」との相性も良いと思います。このヴァイオリニストは現在、音楽界で華々しい活躍を見せているわけではありませんが、地元韓国はもちろん、日本でもコンサートに登場したりしているようです。一度生で聞いてみたいアーティストの一人です。
The comments to this entry are closed.
Comments