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2007.08.20

2008年の来日演奏家について、おかか目線で

On_tomo_09_2007 「音楽之友社的には真夏はバッハ」、ということでチェンバロの御大が表紙を飾る「音楽の友」最新号(→HMV)ですが、個人的な注目企画は「来日演奏家速報2008」です。もうすぐ2007年も三分の二を過ぎるわけで「そろそろ来年のコンサートの予定も知りたいな…」と思ってたところなので、まさに願ったり叶ったりです。
 ということで2008年も多くの演奏家たちが来日するわけですけど、ほんと数が多いですね。とりあえず私的に気になるアーティストだけでも抜き書きしてみますか。

1月
 ノリントン&シュトゥットガルト放送響が目立ってますが、個人的にはイルジー・コルトが指揮するプラハ交響楽団にも注目したいところです。私チェコのオケが好きなものでして。あと器楽奏者ではウィスペルウェイ(チェロ)アンティ・シーララ(ピアノ)が気になります。それからマリインスキー歌劇場も来ますね。実は私、もうチケットを確保しているのですが、どの公演かは内緒にしておきますね。

2月
 当ブログでも紹介した指揮者、ジョゼフ・カバリエ=ドメネクが初来日ですね。しかもヴォルフ=フェラーリ「スザンナの秘密」(演奏家形式)と「展覧会の絵」という、随分力の入ったプログラム。若手器楽奏者ではユンディ・リ(ピアノ)とペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)、ベテランではバルトルド・クイケン(フルート)が来ますね。1949年生まれで来年は59歳。それを考えると行っておいた方がよいのかも。

3月
 この月は「ピアニスト月間」ですね。シフ、ロジェ、チッコリーニ、ベレゾフスキー、マルティン・ヘルムヒェン、エフゲニー・コロリオフ等、大物、若手、実力派たちが続々来日です。
 ヴァイオリニストたちも名手揃いです。ヒラリー・ハーン(BBCフィルハーモニックと共演)、コリヤ・ブラッハー、チョーリャン・リン、ヒロ・クロサキ、そして「ヴァイオリンの祈祷師」(←おかかが勝手に命名)パトリシア・コパチンスカヤ。あとヘンニング・クラッゲルードも来るんですが、招聘元が広島交響楽協会ですので、公演は中国地方限定でしょうね。

4月
 個人的には、日本フィルを指揮する1980年生まれのピエタリ・インキネンに注目です。少し前に彼の演奏をウェブラジオで聞きました。そのとき彼はヴォーン・ウィリアムス「タリスの主題による幻想曲」を演奏していたのですけど、むせび泣くような弦の響きを聴いて私は泣きそうになりました。ただ決して浪花節的な指揮者というわけではなく、メインの「ブラ4」ではしっかりとオケをコントロールし、バランス良いオーケストラサウンドを引き出していました。このときの演奏を聞く限り、「彼は耳の良い指揮者だな」という印象を持ちました。
 この月は他にクリストフ・コワン(チェロ)、ヨー・ヨー・マ&シルクロード・アンサンブル、そして作曲家のサーリアホも来日します。

5月
 フィラデルフィア管(エッシェンバッハ指揮)、フランクフルト放送響(パーヴォ・ヤルヴィ指揮)、そしてラ・プティト・バンドが来日。ピアノではハイドシェック、ジルベルシュテイン、レオン・フライシャー、ゲルバーらが来ます。またスティーヴ・ライヒも来るようですが、何かコンサートでもするのでしょうか。
 まあ私はこの月は「ラ・フォル・ジュルネ」なわけですけど、そのついでに新国立劇場「軍人たち」にも行けたらな、と思っています。

6月
 アンネ・ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)が来ますね。すごいチケット高いんでしょうね。私はトルルス・モルク(チェロ)に行きたいです。スケジュール合うかな。古楽奏者ではアンドルー・マンゼ(ヴァイオリン)に注目かと。
 まあこの月は、ダウスゴー(オケは何処?)ティエリー・フィッシャー(名フィル)ミッコ・フランク(東京響)ラザレフ(読売日響)と、指揮者の方に食指が動く方も多いのではないでしょうか。

7月
 この月は(意外にも)初来日となるパリ・オペラ座でしょうね。私関西人ですから、西宮北口でも上演してくれるというのは実に有難いのですけど、チケット代が高い…。公演内容も「演出重視」でまさに「欧州基準」の、全く日本人に媚びない硬派の演目が並んでいます。
 あとはエマール(ピアノ)、東京クワルテット、そして「ベルリン・フィルの12人のチェリストたち」などが来日です。

(8月は勝手ながら割愛)

9月
 ウィーン・フィルが演奏会を開きます。指揮者はムーティです。これは大変な争奪戦になりそうです。電話受付開始即瞬殺でしょうね。
 器楽奏者ではカニーノ、ルガンスキー、ペーター・レーゼル(ピアノ)デュメイ、バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)。そしてコンスタンティ・クルカが来日しますね。個人的には「クルカ来ターーー!」という感じです(笑)。

10月
 この月はホント沢山の演奏家が来日するので、正直ブログに書き記すのが面倒になるほどです。皆さん「音楽の友」最新号をぜひご覧ください。
 あくまで「おかかが気になる」という視点で申しますと、この月はル・コンセール・スピリテュエルと、ヴェニス・バロック・オーケストラですね。前者は2年前に来日が予定されながらキャンセル、ということがありましたので、まさに「待望の」初来日でしょう。そして後者は指揮者がマルコンではなく、ヴァイオリンのカルミニョーラが指揮も担当するそうです。
 ピアニストではアンスネス、カツァリス、デムスら、ヴァイオリンはテツラフにセルゲイ・ハチャトゥリアン、そして最近指揮者としても随分活躍されるようになったゲリンガス教授がチェリストとして登場します。

11月
 この月もホント沢山の演奏家が来日します。やっぱり書くのが面倒ですので「音楽の友」最新号を買って読んでくださいね。
 この月は、今私が一番聞いてみたいチェリスト、ジャン=ギアン・ケラスが来ますね。今年は都合でパスしちゃったので、来年スケジュールが合うことを祈らずにはいられません。あとレーピン(ヴァイオリン)ボストリッジ(テノール)ツィメルマン(ピアノ)も来日予定ですが、個人的にはマレイ・ペライア(ピアノ)が気になるところです。

12月
 しつこいようですが、この月もホント沢山の演奏家が来日します。詳細は(これまたしつこいようですが)「音楽の友」最新号で。
 この月で私が一番注目するのは、やはりベズノシウクらによるビーバー「ロザリオ・ソナタ」全曲演奏会でしょうか。難曲揃いの全16曲を(休憩をはさみながらも)一日で一挙に演奏するというのですから、弾く方はもちろん、聞く方にも体力が要求されそうです。あと室内楽ではパユ(フルート)とピノック(チェンバロ)という意外性を感じさせるデュオや、カプソン兄弟と児玉桃らによる、メシアン「世の終わりのための四重奏曲」のコンサートもあります。

(なおここで掲載されたものは、あくまでも「予定」ですので、今後都合により来日中止となる可能性もあります)

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