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2007.07.14

オルガンで聴く郡上節

Bovet_salamanca_2 通販サイト「アリアCD」から先日、岐阜・サラマンカホールで収録されたギ・ボヴェのアルバムが届きました。タイトルは「オルガン音楽の喜び」。収録曲はバロック期にヴァレンシアで活躍したファン・カバニレスの小品数曲とネブラの「ファンダンゴ」、大バッハの「幻想曲とフーガ ロ短調」(BWV544)。そして最後には日本の歌を下敷きにしたボヴェ自身の作品「日本三景」へと続きます。やや珍しいプログラミングですが、ブックレットによると「サラマンカホールのオルガンの多様な側面を表すように考えられ」たとのことです。
 そもそもこのCD購入のきっかけとなったのは、このホールのオルガンを製作した辻宏氏のことを「アリアCD」で紹介していたからです。この記事を見たあと私はネットで様々な情報を集めていくうちに、辻氏のオルガンが置かれた岐阜の小さなコンサートホールが、スペインの学園都市の名前を冠するに至った所以を初めて知りました(そのいきさつについてはサラマンカホールの公式サイトにも記されています)。そして私は、このホールで体験したある出来事を思い出しました。「ルー・ゲーリック病」に冒され惜しまれつつ世を去ったオルガン職人と、私が会場で見かけたレスピレータを着けた観客の姿が、私の心の中でダブったのです。
 バブル期以来、日本では数多のコンサートホールが建てられていますが、このサラマンカホールには、辻氏を始め、このホールに関わった様々な人々の「魂」が篭っているような気がします。だからこそ、私はあんな滅多とない経験をしたのかも…。
 さてボヴェ作曲による「日本三景」の1曲目は、郡上八幡に古くから伝わる「郡上節」がモチーフになっています。物悲しい出だしはオリジナル(※)と相当ギャップがありますが、最後には華麗で輝かしいオルガンの響きで幕を閉じます。これは明らかに辻氏に対する音楽的なオマージュではないでしょうか。

(※)ボヴェが引用した郡上節の「かわさき」は、郡上八幡観光協会のサイトで聴くことができます。

(Reference)
"The Joy of the Organ Music"
Guy Bovet(Organ)
Works by Juan Cabanilles, Jose Blasco de Nebra, Johann Sebastian Bach and Guy Bovet.
Recording date: October 3, 2001
Venue: Salamanca Hall, Gifu


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