« ラヤトン、そしてザ・リアル・グループ | Main | 【不定期連載】全く役に立たないロシアピアニズム・ガイド⑤ スビャトスラフ・リヒテル »

2007.07.29

「ニコニコ動画」で見るクラシック音楽

 あぁ…。どうしてあんな試合を…。しかもFIFAブラッター会長の前で…。日本だけでなく、韓国の国家代表もあの体たらくだったし、レフェリーもアジアンクオリティでは…。ヘタしたらW杯のアジア枠が減らされるかも…。日本代表にとって今回のアジアカップは、あくまでもアジアカップの名を借りた「強化合宿」だったんだ…、と力づくで納得させようとしている自分がいます。
 そんな私を誘ってくれるのが、最近すっかり一般にも定着した感のある「ニコニコ動画」(※)です。まだご存知でない方には、「ニコニコ動画はメイド・イン・ジャパンのYouTube」といえば分かりやすいかもしれません。ただYouTubeではコメント欄が動画の「下」に付くのに対し、ニコニコ動画はコメントが動画の「中」に付く、というのがユニークかつ面白いところであります。ほうき星の如く右から左へと流れていくツッコミの数々は、時として壮観であります。まあYouTube同様、オモロイ動画とヤバイ動画が満載なのですけど、YouTubeが米大統領選で存在感を増しつつあるなか、ニコニコ動画でも民主党の小沢一郎代表が登場し話題となるなど、そのポテンシャルが社会的に認知されつつあるように感じられます。
 そんなニコニコ動画にupされるクラシック音楽関連の動画も、徐々に増えつつあるようです。その中から今日は、私の心の琴線に触れた動画をご紹介したいと思います。

 まずは「スゴイ動画」から。

ハイフェッツの「ホラ・スタッカート」です。いつ聴いても素晴らしいです。そして見事な弓さばきに素直に反応するツッコミも素晴らしい(笑)。

YouTubeにも同じ動画がupされていますが、ニコニコ動画では「かっちょえーっ!!!!!!」「いい曲だろフツーに」と、レコ芸では決して見ることの出来ないストレートな賛辞が見られます。なお上記動画の続きはこちらでどうぞ。

次は「お口アングリ」の演奏です。まあ厳密にいえば「演奏」ではないのですが…↓

この曲を「ぴあのピア」で是非紹介して頂きたいものです(笑)。

さてここからはニコニコ動画らしい、ストレートかつシビアなツッコミの入ったものをご紹介しましょうか…。

まずは<初級編>です。

おなじみカルロス・クライバーの「ベト7」です。「のだめ」のオープニングで使われた箇所でコメントがワーッと沸いて来て、肝心のクライバーの優雅な指揮姿を拝めないところが、いかにも「ニコ動」といったところでしょうか。

次は<中級編>。

以前当ダイアリーでもupした、ホロヴィッツ来日公演での「英雄ポロネーズ」です。吉田秀和氏が「ひび割れた骨董品」と酷評したことでも有名ですが、ニコニコ動画での情け容赦ないツッコミは、吉田秀和というよりも「みんなセルジオ越後になっちゃった」かのようです…。

最後は<上級編>です。最早クラシックではアリマセン(笑)。

えー、気分を悪くされた方がおられましたら御免なさい。アイドルマスターMADだし「ニコニコ動画らしいな」と思ってupしたのですけど、ちょっとこれはエゲツナイですな。大きな反発を招きそうですね…。

口直しにコチラをどうぞ↓

いかがでしょうか?機嫌は直りましたでしょうか?しかし栗コーダーカルテットにはいつも癒されますね…。

最後は個人的に「おおっ!」と思ったこのファイルを…↓

UK3大ロック・ギタリストの一人、ジェフ・ベックによるマーラー「アダージェット」(交響曲第5番;第4楽章)です。この曲の持つ「止まっている」ような独特な時間感覚が、見事に表現されていると思います。

(※)なお「ニコニコ動画」の動画再生には会員登録(無料)が必要です。ただし無料会員にはアクセス制限が掛かっています。24時間常時動画再生を楽しみたい方は「プレミアム会員」(有料)への登録が必要です。
また、「このコメントがウザい!」という方は、画面右下の「コメント非表示」ボタンをクリックすれば、オリジナル動画だけを見ることができます。

|

« ラヤトン、そしてザ・リアル・グループ | Main | 【不定期連載】全く役に立たないロシアピアニズム・ガイド⑤ スビャトスラフ・リヒテル »

Comments

私も、24時間ニコニコ動画にアクセスしたいばかりに、プレミアム登録をしてしまったクチです。完全にニワンゴの策略に嵌りました…。

Posted by: おかか1968 | 2007.08.17 17:52

TBさせていただきました。ワタクシ、我慢できずにニコニコのプレミアム会員にグレードアップしてしまいました。

Posted by: ガーター亭亭主 | 2007.08.15 22:33

Sonnenfleck様こんばんは。私もいつも見てますよ<「庭は夏の日ざかり」。

演奏を聴きながら「オオッ!このヴァイオリンが痺れる…」と呟いたり、「何だよコレ?つまんない」と無意識にダメ出ししたりするのって、クラヲタの日常的な振る舞いなわけです。でもこれまでは、それがあまり「表」には出てこなかったと思います。そんなマニアの心の機微がニコニコ動画では実にダイレクトな形で(やや刺激的なカタチではありますが)「可視化」されたわけです。そこが面白いですね。

それにしても「偉大なる作曲家」は破壊力抜群ですね。つーか「なぜ殺したw」(笑)。ゲルギエフでMADやるなら…。曲に何を使うか迷うところですが。

Posted by: おかか1968 | 2007.07.30 00:25

こんばんは。いつも楽しく拝見しています。
前々から、クラシック系のブログでニコニコ動画の面白さが広がったらいいのになあと考えてました。YouTube以上にサブカル、もっと言えば「いわゆるオタク保守本流」のにおいがしますから、なかなか難しいとは思いますが、、クラヲタ同士でツッコミながら見るのも面白そうだなあと思ったり(今はクラヲタがたくさんいるわけではないですからね)。
アイマスMAD、キテマスね。骨。。ゲルギエフのMADとか誰か作ってくれたりしないでしょうか(笑)

Posted by: Sonnenfleck | 2007.07.29 23:25

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「ニコニコ動画」で見るクラシック音楽:

» ニコニコ動画で確信するクラヲタ的ありかた。 [庭は夏の日ざかり]
「ニコニコ動画」というのは、YouTubeに似た動画共有サイトなのであります。 YouTubeとの最大の違いは、動画の再生中にその映像についてコメントがつけられるという機能が備わっている点。書き込んだコメントは、まさにそのタイミングで再生中の動画に張り付き、テロップとして数秒間一緒に流れていくという仕組みなんですね。これによって、巨大匿名掲示板の「実況」の雰囲気をそのままに、オンデマンドで動画を再生し、他人のコメントに反応しながら自己表現もできるという面白い場所になっているんです。 また、You... [Read More]

Tracked on 2007.07.29 23:26

» ホロヴィッツ・イン・ダメダメ [ゴロウ日記 NEO]
(右は私が今までに一番聴いたであろうホロヴィッツのCD。ベートーヴェンのソナタ第21番「ワルトシュタイン」などの納められたもの) いつも読ませて頂いている「おかか1968」ダイアリーで、吉田秀和氏が言うところの、ひびの入った骨董品演奏(ホロヴィッツ初来日時の批評)の動画が紹介されていたので、ニコニコ動画にさっそく登録をして観てしまった。 世の中の進歩というものはすごいものだよなあ、コレクターの秘密...... [Read More]

Tracked on 2007.07.31 22:32

» ■2007/08/01(水) 百日の説法屁一つ [閘門ブッコロリ]
  まだ体重がギリギリ2桁だった大昔の演奏動画を、なかなか興味深く視聴しました。自分の過去の演奏を聴いて良いと思うことはほとんど無いのですが、この録画には非常に肯定的な印象を持ちました。   「この映像の意味するところ」について、以下、夜郎自大な独り言を呟かせて頂きます。 「でっかい独り言やなー」 ■幾つかの意外な点で画期的なドキュメントとなっています。  (i) スコア指定通り、管弦楽がα・β・γ・δ群に立体配置されている。各奏者は通常の座席とは異なった場所に座らされ(なんとコン... [Read More]

Tracked on 2007.08.01 21:40

» ホロヴィッツの来日公演 [ガーター亭別館]
坂本くんのところとゴロウ氏のところで取り上げられていた、東京のホロヴィッツのニコ [Read More]

Tracked on 2007.08.15 07:13

« ラヤトン、そしてザ・リアル・グループ | Main | 【不定期連載】全く役に立たないロシアピアニズム・ガイド⑤ スビャトスラフ・リヒテル »