« 「それでは、振ってみましょう!」 | Main | ジェリー・ハドレーが自殺未遂 »

2007.07.10

クラシック音楽とビールとパスタがあれば

Magazine_le_penseur どんなに苦しくても、そしてアジアカップでカタールに引き分けても生きていける私ですが(ホントUAEにも勝てなかったら承知しないですわよ:笑)、新潮社発行の季刊誌「考える人」の最新号(写真;→amazon.co.jp)が「続・クラシック音楽と本さえあれば」というタイトルだったもので(というより表紙がアンナー・ビルスマだったので)ついついゲットしてしまいました。ところで新潮社といえば昔、「グラモフォン・ジャパン」というクラシック音楽専門誌を出してましたね。「ジャジャーン!」と華々しくデビューしながら、いつのまにか休刊してしまい、今ではファンの話題に上がることもありませんけど、正直英「グラモフォン」誌が醸し出すブリティッシュ・テイストを直輸入してしまったがために、万事「ドイツ・ドイツ・ドイツ」な日本の音楽ファンから敬遠されたのではないでしょうか。私は好きだったんですけどね。出るのが5年早すぎましたね。あっすみません。今は「考える人」の話でしたね(笑)。

 でその「考える人」最新号の目玉記事が、吉田秀和とアンナー・ビルスマの「2大インタビュー」だったのですが、前者はインタビュアーが堀江敏幸氏ということで、これは先日オンエアされて話題になったNHK教育「ETV特集」と同じ顔合わせですね。「ならテレビと同じ内容かな…」と思ったらさにあらず、雑誌の方がより「批評家・吉田秀和」の本質に迫っていたように感じました。例えば「ETV特集」では「日本でグレン・グールドを最初に評価したのは吉田秀和」ということを殊更強調していましたが、「考える人」ではもっと「深い」ところまでハナシが及んでいます。同誌によると、グールドのような「優等生でない人」を積極的に評価する姿勢は「シューマンから教わった」といいます。「いいものばかり拾うのではなくて、そうでないものに対しても、もっと開かれた批評でありたい」という彼の姿勢は、私も以前から吉田氏の文章から感じ取っていたことでありまして、「やっぱりそうだったか!」と合点がいった次第です。少なくとも私は吉田氏が、生前「B級カルト指揮者」「指揮の仕方がまるでアマチュア」と揶揄されていたジュゼッペ・シノーポリの演奏を評価していたことを忘れていません。
 ビルスマのインタビューは、それ以上の「必見もの」でしょう。単なるインタビュー記事に見えて、ビルスマならではの知見が随所に散りばめられています。「(妻の)アンナ・マグダレーナの筆写譜は、バッハの自筆譜とよく似て」いて「結婚してしばらくすると筆跡もどんどん似ていった」という話は、「無伴奏チェロ組曲は実はマグダレーナ作だ」と最近某学者が主張したこと(参照:※)を思い起こさせてくれましたし、「アップボウは『?』で、ダウンボウは『!』」というのは実に上手い比喩で、私はビルスマに座布団1000枚あげたいです(笑)。

(※)この件に関しては、「ongei::blog」のコメント欄でもホンの少し取り上げられています。

|

« 「それでは、振ってみましょう!」 | Main | ジェリー・ハドレーが自殺未遂 »

Comments

Exсellent webb site Romaine

Posted by: Aubrac | 2014.03.23 03:44

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference クラシック音楽とビールとパスタがあれば:

» クラシック音楽と本さえあれば [ガーター亭別館]
坂本くんのところで、「考える人」の標記特集号が取り上げられていました。 そう、ワ [Read More]

Tracked on 2007.07.11 02:27

« 「それでは、振ってみましょう!」 | Main | ジェリー・ハドレーが自殺未遂 »