The Juilliard Manuscript Collection
アメリカの投資家Bruce Kovner氏が、自らの楽譜コレクションをジュリアード音楽院に寄贈したニュースは、当ダイアリーでも以前お伝えしましたが、この度コレクションの一部が電子化され、同音楽院の公式サイトから閲覧できるようになりました。
この「The Juilliard Manuscript Collection」では現在、ブログでも話題にしたベートーヴェン「大フーガ」の四手ピアノ版(作品番号134。この楽譜はベートーヴェンの生涯最後の年に書かれた)、ブラームス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」(作品102)、フルトヴェングラー「交響曲第2番」の自筆譜(一部だけなのが残念…)、マーラー「交響曲第9番」第1楽章の原稿、オッフェンバック「パリの生活」(未出版原稿を含む)、プーランク「愛の小径」、パーセル「ディドとエネアス」&「テンペスト」、ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」(実際の演奏に使われたため、作曲者だけでなくストコフスキーやワルターら、指揮者による書き込みがある)、シューマン「交響曲第2番」を初めとする、多数の原稿や自筆譜を「無料で」見ることができます。
この楽譜の中で、とりわけ興味深いものが2点あります。一つはワーグナー「ジークフリート牧歌」の楽譜。1ページ目の上の方には、作曲家自身の手によって「Sinfonie」という字が消され、その上に「Siegfried-Idyll」と書き加えられた跡があります。もう一つはコープランド「エル・サロン・メヒコ」のピアノ編曲版。このアレンジは若き日のレナード・バーンスタインが行ったのですが、彼は楽譜の余白に、作曲家の姿を面白おかしく描いています。それがどんな絵かというと…↓
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