ネットを彷徨えば いつか見つかる 音楽ファイル
今日は外出するつもりだったのですが、天気も悪いしお金もないし(給料日前なもので)…、ということで自宅でおとなしくしていました。まあ家に居ても特にするもなく、ただパソコンの前に座ってカチャカチャやりながら「おもしろい記事はないものか…」とネットをウロウロしておったわけです。ブログを書き始めた頃よりも仕事がずいぶん忙しくなってきて、最近はネットでネタ探しする時間が取れなくなっているのですが、今日のように時間的余裕があるのって貴重なことですし、ありがたいことです。
さて今日の「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)に「珍しい楽器ご紹介」みたいなページがありまして、そこでミュージカル・ソウ(音楽のこぎり)やユーフォニウムなどに混じって、コントラファゴットの作品が紹介されていました。この楽器、オーケストラ・コンサートではおなじみ(デカイから目立ちますもの:笑)ですが、ソロ楽器としてのコントラファゴットを聴く機会って、言われてみれば余りないような気がします。
でこの記事ではフィンランドの作曲家、カレヴィ・アホの「コントラファゴット協奏曲」を紹介していまして、これを見た私は「ひょっとして…、BISレーベルだからナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)にあるかも…」と思い、検索してみたら…、予感は見事に的中(笑)。さっそく全曲を通して聞いておりました。冒頭部でコントラファゴットの重低音ソロが延々と続いたときは、「ちょっとこれはダメかも…」と思ったりしたのですけど、聞き進めていくうちに、どんどん雄大でエネルギッシュになっていく音楽に耳を奪われてしまい、最後には「おおっ…、コレってなかなかいい曲かも…」と考えを改めました。随所に見せる叙情性、強奏部でのダイナミックな音のせめぎ合い、そしてドラマティックな曲構成は、一級の交響作品としての風格を感じさせます。この珍しい楽器による協奏曲としては、ファースト・チョイスになり得る曲ではないかと思います。
さて前述の「ニューヨーク・タイムズ」紙は、もうひとつユニークなCDを紹介していました。それはフィラデルフィア管弦楽団で長年主席オーボエ奏者を務めたマルセル・タビュトー(Marcel Tabuteau, 1887-1966)の名演集なのですが、ただの「名演集」と異なる点があります。実はこのCD、ストコフスキー指揮によるオーケストラ録音から、タビュトーの演奏した部分だけを拾い集めたものなのです。この一風変わったコンピレーション・アルバム、Amazon.comでは”CURRENTLY NOT AVAILABLE”(「お取り扱いしていません」)なのですが、アルバムの一部は視聴可能です(→こちら)。最初私は何気なく「Track 13」(ブラームス「交響曲第2番」、第3楽章冒頭)から聞き始めたのですが、そのスムーズさ、そして味わい深い節回しに「これはいいな…」と感じ、他のトラックも次々にクリックし、結局は聞けるトラックはすべて制覇しておりました。どのトラックを聞いても、どこか一本スジが通ったような上品さがあります。それは「サロメ」や「シェエラザード」のような曲でも同様で、その「道を外れない」演奏ぶりが却って好ましく感じられたりもします。ちょっとコレは手に入れたいですね(といいますか早速、発売元の「Boston Records」でオーダーいたしました:笑)。
(関連商品)
●アホ:チューバ協奏曲&コントラファゴット協奏曲
オイスタイン・ボーズヴィーク(チューバ)ルイス・リプニック(コントラファゴット:※)
マッツ・ルンディン指揮ノールショピング交響楽団
アンドリュー・リットン指揮ベルゲン・フィル(※)
(BIS; BIS-CD-1574, →Amazon.co.jp/HMV/@TOWER.JP)
●Excerpts with the Philadelphia Orchestra and Leopold Stokowski
マルセル・タビュトー(オーボエ)
レオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団
(Boston Records; BR1021)
The comments to this entry are closed.
Comments