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2007.04.06

フェスティバルホールの思い出

 大阪・中之島の「フェスティバルホール」が改築され、本格的オペラ公演にも対応できるホールへと生まれ変わるそうです(参照)。
 フェスティバルホールといえば、長年関西の音楽ファンに親しまれたホールであります。私も幾度か足を運びましたが、音響が優れたホールだと感じたことは一度もありませんでした(「カラヤンが評価していた」という話もあるので、きっと私の耳の方が悪いのでしょう)。しかしここでのコンサート体験は、どれも印象的なものばかりでした。

 1987年のベルリン国立歌劇場公演は、私にとって最初のオペラ鑑賞でした。その「最初の」演目が上演時間の長さで知られる「マイスタージンガー」だったもので(苦笑)、開演前は「最後まで寝落ちしないで聴けるかなぁ」と心配したのですが、有名な「第1幕への前奏曲」と、それに続く合唱を聞きながら「これが本場のオペラかぁ」といたく感激したのを覚えています。そして第3幕後半、歌合戦のシーンでの合唱「目覚めよ、朝は近づいた」の素晴らしさといったら!今思い出しても鳥肌が立つほどです。そういえば第2幕で「フライング拍手」が起こったとき、指揮者のスウィトナーが思わず客席のほうを振り返ってましたっけ。
 1992年5月の大阪フィル定演では、協奏曲のソリストとして登場したアンドレイ・ニコルスキーが印象に残りました。彼がアンコールで演奏した「ラ・カンパネラ」の甘美かつ上品な演奏は、本格派ピアニズムが何たるかを私に実感させるものでした。終演後ロビーに立って観客に丁寧にお辞儀していたニコルスキーの姿も私には忘れられません。1995年に交通事故で夭折したのが実に惜しまれます。
 2000年12月29日、私は朝比奈隆の「第九」を聴くためにフェスティバルホールに足を運びました。このとき私は「御大の演奏に接するのはこれが最後かも…」という「覚悟」にも似た思いを抱いていました(結局それは現実のものとなるのですが…)。ということで「一音たりとも聞き逃すまいぞ…」と客席で力みかえってたのは紛れも無い事実です(笑)。そんな妙な緊張感を保ちつつ最後まで聴いていましたけど、この日は内声部へのこだわりに「さすが御大」というところも見せてはいたものの、全体的にはアンサンブルがイマイチでしたし、管弦楽の響きも力感不足でした。それでも終演後の私は「御大のお姿、しかと見届けました…」という充実感で一杯でした。ともかく御大の雄姿を目のあたりにしただけで、私は大満足だったのです。
 さて私は今月21日、フェルツマンのピアノを聴きにフェスティバルホールに出かけます。今度は私の心に、どんな「思い出」を刻み付けてくれるのでしょう。

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Comments

リベラ33様こんにちは。
確かにホールは老朽化した感は否めませんでしたね。いま中之島は再開発ラッシュですから、周囲とタイミングを合わせたのでしょう。
どうせ作るなら、世界ーを目指すくらいの意気込みでホールを作って頂きたい、と思います。

Posted by: おかか1968 | 2007.04.08 at 11:44

ああ、やはりそうですか。
去年行ったときにカビ臭のする会場を見て、もうリフォームする積もりはないのだろうな、と確信したのですが。建て替えならもっといいホールになると期待ですね。

Posted by: リベラ33 | 2007.04.07 at 07:05

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