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2007.03.13

【レビュー】エルダー&ハレ管のドビュッシー

Elder_debussy01

(曲目)
1.ドビュッシー:交響詩「海」
2.同(コリン・マシューズ編):前奏曲集
(霧/西風の見たもの/ミンストレル/カノープ/夕べの大気に漂う音と香り/ヴィーノの門/奇人ラヴィーヌ将軍/枯葉/交代する三度/パックの踊り/野を渡る風/亜麻色の髪の乙女)
(演奏)
マーク・エルダー指揮ハレ管弦楽団
(→hmv.co.jp@TOWER.JP

 イギリスの「タイムズ」紙上で「イギリスではハレ管がナンバー1」と書かれているのを見たとき、私はずいぶん驚いたものです。しかし今回(CDではありますが)マーク・エルダーの着実な仕事ぶりと、オケの技量の高さを聴くに及んで「タイムズ紙の高評価もむべなるかな」と得心した次第です。ハレ管は来年創立150周年を迎えますが、どうやら良いアニヴァーサリー・イヤーとなりそうです。


 前半の「海」は、重厚で安定感のあるサウンドと、細部まで目が行き届いた丁寧な音作りが印象的です。着実なテンポによる音楽の進行は、海の雄大さ、大らかさといったものを感じさせます。堅実でありながら、ドビュッシー的な色彩感にも不足しない、素直な良い演奏です。
 後半はコリン・マシューズの編曲による「前奏曲集」です。この管弦楽版は世界初録音ということで、当然私が聴くのも初めてですが、結構イケますねこれ。彼のアレンジには管弦楽ならではの色彩とダイナミズムがありますし、それでいてオリジナルの音楽の美点は損なわれていません。何よりドビュッシー「らしさ」が失われていないのが良いです。ユーモラスな「ミンストレル」(Track 6)と、繊細な響きの「交代する三度」(Track 12)は好印象ですし、カスタネットがスペインを連想させる「ヴィーノの門」(Track 9)もエキゾチックで悪くありません。「野を渡る風」(Track 14)は「もう少し重厚な響きの方が…」とは思いましたが、それでも眩い閃光のような後半のオケサウンドは聴きモノです。
 さて最後のトラックは有名な「亜麻色の髪の乙女」です。冒頭部での「点描的」といえるマシューズのオーケストレーションには少々驚きましたが、弦楽を中心とする「色彩感」が控えめのアレンジは、ある意味イギリス音楽の世界にも通じるような独特の味わいを持っています。個人的にはこの「亜麻色~」が、マシューズ版「前奏曲集」で一番心に響きました。この音楽、演奏会のアンコールピースとしても充分いけそうです。

(Hallé CD HLL 7513, ASIN:B000MDH6JS)

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