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2007.02.24

サロネンの新作を聴く

 フィンランド出身の音楽家エサ=ペッカ・サロネンの(作曲家としての)最新作「ピアノ協奏曲」が、イェフィム・ブロンフマンの独奏と作曲者自身の指揮するニューヨーク・フィルにより初演されました。この模様は現在ニューヨーク・フィルの公式サイトで聴くことができます(3/2までの限定公開)。上記リンク先の「Real Player」をクリックするとストリーミングで配信される仕組みです。「ピアノ協奏曲」は33分28秒あたりから始まります。

 私も聴いてみましたが、鮮やかなオーケストラサウンドを前面に押し出した、なかなか迫力のある作品です。曲は古典的な「急-緩-急」の3楽章構成。打楽器に導かれて荘重な弦楽合奏で始まる第1楽章は、途中サックスとピアノ、またヴィオラ(と思われますが…)とピアノとの掛け合いなどがあり、このあたりの新鮮な響きには独特なものがあります。ピアノ・ソロで始まる第2楽章は、後半部で一瞬シベリウスを連想させるようなハッと息を飲む弦のフレーズがあったかと思うと、そこからややラフマニノフっぽい(それともメシアン?)ヴァイオリンのカンタービレが始まり少し苦笑いです。第3楽章はオケとピアノが一体となりテンポ良く進み、最後にダイナミックに盛り上がったところでイ長調の和音で曲を締めくくります。
 私は作曲家サロネンの作品を数多く聴いてきたわけではないのですが、彼のオーケストラ作品には原色系の「華やかさ」が感じられ、そこが結構私のツボなのです。この「ピアノ協奏曲」でもサロネンの新鮮な響きのオーケストレーションを理屈抜きに楽しむことができました。

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