2007.02.27
2007.02.25
さすがBISレーベルはやることが一味違う
例のジョイス・ハットーの件で、スウェーデン・BISレーベルのロベルト・フォン・バール氏がコメントしています(参照)。どうやらBISレーベルは「今回の件がいかなる結果になろうと法的手段に訴えるつもりはない」ということのようです。そして(ハットー側がコピーした可能性のある)「ラスロ・シモンの『超絶技巧練習曲集』は絶賛発売中!」と宣伝することも忘れていません。
またこのコメントを読む限り、バール氏も晩年ハットーが長い闘病生活を余儀なくされたことに心を打たれている様子です。
(※)「Naxos Music Library」にシモンの「超絶技巧~」がありますので、会員の方はお試しあれ。
2007.02.24
ジョイス・ハットーのホンモノの録音
えー読者の皆様、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」先行発売はいかがだったでしょうか。なんか発売開始から最初の30分がものすごく繋がりにくくて慌てましたが、それからは割とスムーズにアクセスできるようになりましたね。とりあえず今日一番の大仕事を終え「やれやれ」といったところです。
ところで2ちゃんねるでもスレが出来るほど話題となっている、ジョイス・ハットーの録音を巡る一連の騒動(アメリカでは、ニクソン元大統領の疑獄事件になぞらえ「Hattogate」[ハットーゲート事件]と呼ばれている…)ですが、Wikipedia英語版には、若き日のハットーが「本当に」演奏したと思われるレコーディングのリストも掲載されています。
さてこれとは別にネット上で色々とサーチしていたら、かつてテイチクから発売された「Classic Best Collection Series」シリーズの中に、ジョイス・ハットーの名前がクレジットされたCDを見つけました(参照)。ジョージ・ハースト指揮プロムジカ交響楽団との共演によるラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」は、上記ウィキペディアにも載ってますし、どうやらこれはハットー自身の演奏の可能性が高そうです。となると俄然聴いてみたくなるのがクラヲタの悲しい性です。誰かこのCDを持っておられる方がおられましたら「頂戴!」とは申しませんので(笑)、感想をコメント欄にでも書き込んで頂けるとありがたいです。
サロネンの新作を聴く
フィンランド出身の音楽家エサ=ペッカ・サロネンの(作曲家としての)最新作「ピアノ協奏曲」が、イェフィム・ブロンフマンの独奏と作曲者自身の指揮するニューヨーク・フィルにより初演されました。この模様は現在ニューヨーク・フィルの公式サイトで聴くことができます(3/2までの限定公開)。上記リンク先の「Real Player」をクリックするとストリーミングで配信される仕組みです。「ピアノ協奏曲」は33分28秒あたりから始まります。
2007.02.21
20万アクセスの御礼
「おかか1968」ダイアリーをご覧の皆様;
立春以降、例年より少し早く春が訪れたかのような陽気が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、当ダイアリーはこのたび累計200000アクセスを達成いたしました。これもひとえに皆様の日頃のご愛顧の賜物と感謝いたしております。
思えば10万アクセスのご報告をさせて頂いたのは一昨年の12月でした。それから一年以上が経過いたしましたが、特に文章が上手くなったわけでもなく、ウェブデザインの見栄えが良くなったわけでもありません。本当に目だった進化もないまま今日までダラダラと書き込みだけを続けております。最近は自分の文章力の無さ、創造力の欠如など、至らないところばかりが目に付く毎日です。そのような拙い内容にもかかわらず、多くの方々にご覧いただき大変恐縮しております。そしてこのブログを通じて実に沢山の方々と交流する機会を得たことに、私はこの上ない喜びを感じております。
最後になりましたが、読者の皆様、そして私のサイトの情報源となった全てのサイトの管理人の方々に厚く御礼申し上げます。これからも当ダイアリーをよろしくお願いいたします。
「おかか1968」ダイアリー 管理人 拝
2007.02.20
脳内ひとり作戦会議
……どうしようどうしようどうしよう…、ってどうしたものかな「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のチケット。「熱狂の日」フレンズ限定の先行発売が2/24(土)から開始されるので、プリントアウトしたタイムテーブルを凝視しながら頭を悩ませているところなのだ。
2007.02.17
ジョイス・ハットーのCD録音はニセモノ!?
すでに「ピアノ音楽名盤選」でも取り上げられていますが、「幻の名ピアニスト」として日本にもファンの多いイギリスのピアニスト、ジョイス・ハットー(1928-2006)のCD演奏が、実は他のCD録音をコピーしたものだ、と英「グラモフォン」誌が指摘しています(参照)。同誌によると彼女のリスト「超絶技巧練習曲集」の録音は、「マゼッパ」がラスロ・シモン(BISレーベル)、「鬼火」が野島稔(Referenceレーベル)の演奏と全く同一のものだといいます。そして世評の高かった彼女のゴドフスキー「ショパンのエチュードに基づく練習曲集」の録音(写真)は、カルロ・グランテの録音に15%ストレッチング処理を加えた(つまり「引き伸ばした」ということ)(訂正)カルロ・グランテの録音を元に15%時間を圧縮したものらしいです。まだあります。ハットーのラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」の演奏は(あろうことか)イェフィム・ブロンフマンとエサ=ペッカ・サロネンのCD(Sony)と全く同一だということです。
なんとも大変なスキャンダルですが、「グラモフォン」誌がこの件の調査を始めたきっかけは、ほんのささいな出来事でした。
2007.02.15
あちゃー!やってもうた…。
先日当ダイアリーで「ソフィア・コッポラ監督がモンペリエでオペラを演出する」というニュースをお伝えしましたが、その情報はガセネタであることが今日判明しました。AFPによると、コッポラ氏専属の広報担当者がこの噂をきっぱりと否定した、ということです(参照)。
このテの話題性の高い噂話にはついつい乗せられ、踊らされてしまうものですが、今回の件については、本人に近い関係者の情報が出るまでは取り上げるべきではなかった、と反省しております。ということでお詫びと共に訂正させて頂きます。
2007.02.10
【レビュー】ダウスゴーの新譜二題
SIMAXレーベルでの一連のベートーヴェン録音で注目を浴びたデンマークの指揮者トマス・ダウスゴー。私も去年ウェブラジオで彼のモーツァルトを聴いた折、その細部まで整えられた精緻なアンサンブルに好印象を抱きました。さて彼の指揮による新譜が2枚立て続けにリリースされましたが、どちらもなかなか興味深い内容となっています。
2007.02.09
クラシック音楽短信(2007年2月9日付)
みなさんおはようございます。今日は慌しくニュース・フラッシュを。
●「カヴァ・パリ」ならぬ「ファリャ・パリ」
オペラカロライナ(→公式サイト)が先月、レオンカヴァレロ「道化師」の前に(「カヴァレリア・ルスティカーナ」ではなく)ファリャの一幕もの歌劇「はかない人生」をドッキングさせるという、珍しい組み合わせで公演を行った(HULIQ.com)。
●ソフィア・コッポラがオペラ初演出(2/15追記)この話はガセネタであることが判明いたしました。詳細はこちらをご覧ください。
映画監督の娘にして映画監督のソフィア・コッポラが、2009/10シーズンのモンペリエ歌劇場「マノン・レスコー」でオペラを初演出することがわかった。なお予定されているキャストにはロベルト・アラーニャも含まれている(contactmusic.com)
2007.02.08
ロストロポーヴィチ 入院
昨日付の「PlaybillArts」によると、チェロ奏者・指揮者のムスティスラフ・ロストロポーヴィチが現在モスクワの病院に入院しているそうです。病名など詳細については明らかになっていません(2/10追記)地元メディアは「ガン治療専門病院で治療中」と報じています(参照)。
彼の所属事務所コロンビア・アーティスト(CAMI)のチェアマンで、担当マネージャーでもあるロナルド・ウィルフォード氏が明らかにしたところによると、ロストロポーヴィチは先週パリの病院に入院したものの、今週月曜日にはモスクワに帰郷したとのことです。またロシア政府筋によると、一昨日はプーチン露大統領が直々に病院を訪れ、彼を見舞ったといいます。
昨日になって秘書から「快方に向かっている」というコメントが出ましたが、去年は幾つかの演奏会をキャンセルしていましたし、新日本フィルとの演奏会の数週間前には(部位は不明ですが)手術を受けていたらしいので、彼の健康状態がとても心配です。
(2/10追記)新たな情報に基づき、記事を修正いたしました。
(3/10追記)最新情報によると、ロストロポーヴィチは3/6にモスクワ近郊のサナトリウムへと転院した模様です。
2007.02.07
今年も熱狂がやってくる!
東京国際フォーラムの「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」公式サイトで、本家ナントの「熱狂の日」音楽祭の模様が見られます(参照)。私はタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの出演したライブをウェブラジオで聴きましたが、クラシックの世界では絶対体験できないハイテンション、ハイスピードの音楽は圧巻でした。これにつられてか、この後オーケストラが演奏した「ルーマニア民俗舞曲」もいつになくノリノリというか、良い意味で「乱れて」いました。異なるジャンルの音楽家が出会うことで音楽的感性が刺激され、触発された感じがネット越しにも伝わってきました。この「異種格闘技」的企画、吉と出たようです(というかこーゆーのってルネ・マルちゃん好きそう…)。
しかしこのライブのレポートが「おジャポン」の公式サイトに載ったということは…、有楽町でもこのライブを見ることができるのでしょうか?来週木曜日(2/15)の発表が待たれるところです。
2007.02.06
OPER-Heat
私がネタ探しにいつも立ち寄るAlex Ross氏のブログ「The Rest Is Noise」で、二期会公演「ダフネ」(→公式サイト)が取り上げられていました(参照)。
そういえば今月は、秋に立て続けに来日する海外オペラハウスのチケット発売ラッシュですね。チューリヒ歌劇場に続いてリンデンオーパーにゼンパーオーパー…。財布とも相談しないといけないし、頭の中はまさにオーパーヒートです(ん?)。しかも来年初頭にはマリインスキー・オペラも来るんですよねぇ。どうして一度に固まって来るかなぁ(ぼやき)。
我が家の財政問題も鑑みて今月の「ダフネ」、私はパスです。でも来月の新国「アルバート・へリング」には、結構心がグラグラ揺らいでいる私であります。
2007.02.03
【レビュー】岩城&N響 「弦楽のためのレクイエム」
(曲目)
1.武満徹:弦楽のためのレクイエム
2.外山雄三:ラプソディ
3.同:子守唄
4.小山清茂:管弦楽のための木挽歌
5.渡辺浦人:交響組曲「野人」
6.尾高尚忠:フルート協奏曲
7.メシアン:ばら色の扉(「5つのルシャン」から)
8.同:天国の色彩
(演奏)
吉田雅夫(フルート;6)木村かをり(ピアノ;8)岩城宏之指揮NHK交響楽団(1-6)東京混声合唱団(7)東京コンサーツ(8)
(録音)
1961年1月/4月(1-6)1973年3月(8)
先日大阪のCD店で「弦楽のためのレクイエム 岩城宏之」(→amazon.co.jp)を購入しました。昨年惜しまれつつ世を去った指揮者・岩城宏之氏の追悼企画ということで、モノトーンを基調とするジャケットデザインです。パッケージの外見は地味ではありますが、演奏のポテンシャルはどれも高く、昭和30年代から40年代にかけての日本音楽界の熱い息吹が確実にスピーカーを通して伝わってきます。
2007.02.01
【演奏会レポ】カルミニョーラ@西宮北口
(曲目)
1.モーツァルト:ヴァイオリンソナタ第36番変ホ長調 K.380
2.ベートーヴェン:同第4番イ短調 Op.23
3.モーツァルト:同第28番ホ短調 K.304
4.ベートーヴェン:同第5番へ長調 Op.24「春」
(以下アンコール)
5.モーツァルト:同変ロ長調 K.378から ロンド
6.ベートーヴェン:同第8番ト長調から 第3楽章
7.モーツァルト:同24番ハ長調 K.296から 第2楽章
8.同:同24番ハ長調 K.296から 第1楽章
(演奏)
ジュリアーノ・カルミニョーラ(ヴァイオリン)矢野泰世(フォルテピアノ)
(2007.1.28 兵庫県立芸術文化センター・小ホール)
実は前半は正直眠くて眠くて…。仕事疲れもまだ残ってたし、自宅から会場までの長時間ドライブの影響もあったでしょう。でも私の眠気を吹き飛ばすほどのインパクトが前半の演奏に無かったのも確かです。音はすれども響かないヴァイオリン演奏を聞きながら「これがあのカルミニョーラなのか!?」と思いながらコックリ。「ホントなのか、どうなんだ!?」と自問自答しながらコックリ。「それにしてもカルミニョーラって誰かに顔が似てるな…、でも誰だろう…、名前が浮かばない…」といけない雑念が浮かんではコックリ、といった前半でした。