U-35(35歳以下、32歳以上)の指揮者たち
前回のエントリでは、U-31(31歳以下)の指揮者たちを取り上げましたが、今回はその一つ上の世代(と勝手に私が定義した世代)の「32歳以上、35歳以下」(ここでは「U-35」と呼称)の指揮者たちをリストにしてみました。
-------U-35の指揮者-------
ウラディミール・ユロフスキ(Vladimir Jurowski;1972- )[IMG}
2001年 グラインドボーン音楽祭の音楽監督に(現職)
2005年 ロシア・ナショナル管の首席客演指揮者に(現職)
2007年 ロンドン・フィルの首席指揮者に(予定)
ヨゼップ・カバリエ=ドメネク(Josep Caballé-Domenech;1973.2.19- )[HP]
コリン・デイヴィスらに師事
2005年 ノールショピング響の首席客演指揮者に(現職)
アヌ・タリ(Anu Tali;1973.6.18- )[CAMI]
イリア・ムーシン、ヨルマ・パヌラらに師事
1997年 ノルディック交響楽団を創設
テオドル・クレンツィス(Teodor Currentzis;1973-)[IMG]
イリア・ムーシン、ユーリ・テミルカーノフらに師事
ノボシビルスク歌劇場の音楽監督(現職)
張弦(Xian Zhang;1973- )[HP]
2005年 ニューヨーク・フィルの副指揮者に(現職)
シューシティ響の音楽監督(現職)
2007年 イングリッシュ・ナショナル・オペラで「ラ・ボエーム」を指揮(予定)
フィリップ・ジョルダン(Philippe Jordan;1974- )[IMG]
2001年 グラーツ歌劇場 音楽監督に(-2004)
2002年 メトロポリタン歌劇場にデビュー
2006年 ベルリン国立歌劇場の首席客演指揮者に(現職)
エドワード・ガードナー(Edward Gardner;1974-)[IMG]
2005年 オールドバラ音楽祭にデビュー
2007年 イングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督に(予定)
ヤッコ・クーシスト(Jaakko Kuusisto;1974-)[IMG]
2005年 オウル響の首席客演指揮者に(現職)
ダニエル・ハーディング(Daniel Harding;1975.8.31 - )[AH]
1994年 バーミンガム市響を相手にプロデビュー
1997年 トロントハイム響の首席指揮者に(-2000年)
同年 ノールショピング響の首席客演指揮者に(-2003年)
同年 ドイツ室内管の首席指揮者に(-2003年)
2003年 マーラー室内管の音楽監督に(現職)
2004年 ロンドン響の首席客演指揮者に(現職)
2007年 スウェーデン放送響の首席指揮者に(現職)
ヤニク・ネゼ=セガン(Yannick Nézet-Séguin;1975- )[AH]
カルロ・マリア・ジュリーニに師事
2000年 モントリオール・メトロポリタン管弦楽団の芸術監督に(現職)
2008年 ロッテルダム・フィルの音楽監督に(予定)
[ ]カッコ内は所属事務所。
AH=Askonas Holt, CAMI=Columbia Artists
HP=HarrisonParrott,IMG=IMG Artists,
(※)今回も生年月日についてはネット情報を基にしているため、実際の生年と異なる可能性は否定できません。誤りなどがありましたらご遠慮なくコメント欄やメールなどでご連絡下さいませ。
(以上リストおわり)
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この世代ではやはりハーディングの実績が突出していますが、ウラディーミル・ユロフスキやフィリップ・ジョルダンといった、すでに欧州各地で目だった活躍を見せている指揮者たちも交じっています。彼らはもう随分前から見かける名前ですし、もう「若手」と呼ぶことすら躊躇われてしまいます。
それにしても若くて優秀な人材を発掘し、出来るだけ若いうちに世界が注目する大舞台に出していくという手法でどんどん20代、30代の指揮者たちが台頭しているわけで、このような音楽事務所のプロモーション手段が今後も続くと、50年後の楽壇はどのようになっていくのか、少し気になるところです。主要なポストが若手で占められるのは当たり前になり、50歳を過ぎた指揮者が「ベテラン」と呼ばれる時代が来るのでしょうか。「昔は『指揮者は50歳からが第一歩だ』なんて言ってたんだけどね」と語られる日がくるのでしょうか。
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