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2007.01.30

エルマガのクラシック特集

L_maga_2007_03_1  関西ローカルの総合情報誌「エルマガジン」最新号(2007年3月号;→amazon.co.jp)でクラシック音楽が特集されていることを知り、早速購入してみました。表紙には「もっとクラシック音楽を!」「あなたは『のだめカンタービレ』だけで満足ですか?」などの活字が躍っています。そして巻頭を飾ったのは、兵庫芸術文化センター管弦楽団(以下「PACオケ」→公式サイト)です。「今、最もチケットがとれないオーケストラが西宮にあります。」というフレーズが情報誌らしくて新鮮ですね。なんか「半年先まで予約で一杯のレストラン」的な響きがします。あと紙面では42名のPACオケ団員たちが(1名の副指揮者と共に)写真付で紹介されていましたが、個人的には高橋真珠さん(ヴァイオリン)のコメントに興味を惹かれました。詳細はエルマガをご覧頂くとして(笑)、彼女が演奏するアルバン・ベルクの協奏曲を聴いてみたいな、と素直に思いました。

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2007.01.26

昨日の「プロフェッショナル 仕事の流儀」も…

 予想以上に見ごたえがありました。実は私、大野和士さんのことを「仕事の出来るクールな男」というイメージで見ていたのですが、この番組を見て印象が少し変わりました。一昨年のシャトレ座でのハプニングの映像が流れたあとカメラが大野さんの表情をドアップで捉えてたのですが、彼の目は心なしか潤んでいるように見えました。それを見て彼の内に秘めた強い「パッション」の一端を垣間見たような気がしました。

(※)今月からモネ劇場で大野さんが指揮する「炎の天使」(→公式サイト)が、ウェブラジオで聞けます。放送局は「Klara」。オンエアは2/18(am4:00~:日本時間)です。

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2007.01.22

昨日の「トップランナー」はホントに面白かった

 小菅優さんが登場した昨日のNHK教育「トップランナー」ですが、50分弱という短い時間帯であったにもかかわらず、インタビューの端々から彼女のパーソナリティがにじみ出ていて、実に興味深い内容でした。
 特に感心したのは、彼女の作品に対する理解力の「的確さ」です。彼女いわく、モーツァルトは「プレイボーイ」だけど、作品の中に「天才の孤独を感じる」作曲家、一方ベートーヴェンは「世界を変えたいと思っている人」「『Nein』(ドイツ語で「ノー」)といえる人」「こだわりがすごくある人」だといいます。23歳にしてこの深い洞察力!恐れいりました…。

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2007.01.20

長い指揮棒

 以前山尾敦史様がブログで話題にしていたボールトのビデオですが…

Boult_baton04

 これですね。私もボールトが好きなもので、このビデオはことある度に何度も見返しています。

Boult_baton05

 彼の指揮姿が(しかも動画で)拝めるという、ファンにとっては実に有難い逸品です。 もちろんボールトが自家籠中としたイギリス音楽の演奏も実に素晴らしいのです。そして(山尾様も触れておられましたが)彼の特徴はなんといっても…;

Boult_baton02

 その「指揮棒の長さ」です。
 「ピリオド演奏」という言葉すら存在しなかった頃からオケの「両翼配置」(ヴァイオリンが指揮者の両サイドに並ぶレイアウト)に拘るなど、何かとオールド・スタイルを好んだボールトですが、指揮棒にも彼のこだわりが表れています。彼は20世紀前半の巨匠たちが好んで用いた、長めの指揮棒を愛用していました。

Boult_karajan_1

 カラヤンと比較すると、その長さは一目瞭然です。
 そしてボールトは、その長い指揮棒を(ミュンシュみたいにブンブン振り回さすのでなく)「しゃなり」「しゃなり」と操るのです。その所作はまるで日舞のお扇子を思わせる雅やかさで、その立ち居振る舞いは「さすが英国紳士」といったところでしょうか。

 さて…、実はこの日本で、ボールトよりも長い指揮棒を持つ人物が現れました。その人の名は…;

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2007.01.17

「トリスタンとイゾルデ」を堪能

Goodall_tristan  4枚組で3000円、しかも日本語対訳付という驚きの価格設定で登場したグッドールの「トリスタン」ですが、値段だけでなく中身の演奏も実に素晴らしいものです。久しぶりにワーグナーを聴いて熱いものがこみ上げてきました。この「トリスタン」には世界的なワーグナー歌手こそいませんが、ワーグナーがこの作品に込めた「ドラマ」が、実にリアルに表現されていて、そこが聞き手の胸にぐっと迫ってくるのです。

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2007.01.11

U-35(35歳以下、32歳以上)の指揮者たち

 前回のエントリでは、U-31(31歳以下)の指揮者たちを取り上げましたが、今回はその一つ上の世代(と勝手に私が定義した世代)の「32歳以上、35歳以下」(ここでは「U-35」と呼称)の指揮者たちをリストにしてみました。

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2007.01.08

U-31(31歳以下)の指揮者たち

 昨年末に購入したディスクのなかで、私のお気に入りの一つとなっているのが、トゥガン・ソヒエフの「展覧会の絵」(写真)です。「naive」レーベルならではのアーティスティック・ポイントの高いジャケ写に釣られ、ついレジに持っていってしまったのですけど、トゥールーズ・カピトール管のポテンシャルをフルに引き出した演奏はなかなかのものでした。同封ブックレットによるとソヒエフは北オセチア出身で現在28歳とあります。北オセチアといえば、どうしてもワレリー・ゲルギエフを連想してしまうのですが、ソヒエフの「展覧会の絵」はフランスのオケの持つ「繊細さ」「上品さ」を前面に押し出しながらも、時折同郷の先輩を思わせるような「勇ましさ」が時折顔を覗させるという、なかなかユニークな味わいを持っています。カップリングのチャイコフスキー「交響曲第4番」はアンサンブルに1ランク上の精度が欲しいところでしたが、それでもデビューCDとしては上々の滑り出しではないでしょうか。
 さて最近の音楽界では20代の指揮者は決してレアではありません。ソヒエフとおなじ20代のドゥダメルブランギエの活躍ぶりは当ダイアリーでも取り上げていますが、この3人には「若い」という以外にも共通点があります。実は彼らは所属事務所も同じなのです。彼らの音楽事務所「Askonas Holt」にはアバド、ヨー・ヨー・マ、ボストリッジら多くの有名演奏家を抱えていますが、現在ベルリン・フィルの首席指揮者を務めるサイモン・ラトルを17歳の頃から(!)サポートしてきたエージェントです(参照)。更にはラトルと同郷で、彼の跡を追うような活躍ぶりを見せるダニエル・ハーディングも「Askonas Holt」の所属です。おそらくこの二人の「成功」に続けとばかりに、次の世代のアーティストの発掘に力を入れているのでしょう。そして「Askonas Holt」以外にも「IMG Artists」、「HarrisonParrott」、「Van Walsum」といった音楽事務所も負けじと若手指揮者のサポートに熱心に取り組んでいます。

<当エントリはここからが長いので、読者の皆様はご注意ください>

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2007.01.07

あのイギリスの作曲家が同性結婚でトラブル

 イギリスを代表する作曲家で「MASTER OF THE QUEEN'S MUSIC」の立場にあるサー・ピーター・マックスウェル・デイヴィス(72)がパートナーの男性と結婚できず困っている、とイギリスの新聞メディアが報じています。

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2007.01.05

クラシック音楽短信(2007年1月5日付)

 ブログをご覧の皆様、改めましてあけましておめでとうございます。「おかか1968」です。ついに2007年が始まりましたが、今年は亥年ですね。「猪突猛進」とは参りませんが、昨年同様ぼちぼちと行きたいと思います。
 今日も世界からニュースが届いておりますのでどうぞ。

●ソプラノ歌手がシラミ被害でヒルトンホテルを訴える
 歌手のAlison Trainerさんが、宿泊中に南京虫(トコジラミ)で全身をかまれたのはホテルの責任だとして、ホテルを管理するヒルトン・ホテルズ・コーポレーションに対して600万ドルの慰謝料を要求する訴訟を起こしたました。訴状によると、6泊7日の滞在中に南京虫に咬まれた箇所は実に150ヶ所に及ぶといいます。(詳しくはCBS Newsで)

●インドの映画監督がパリ・シャトレ座でオペラを演出
 インドの映画監督、サンジャイ・リーラー・バンサーリー氏は「ミモラ 心のままに」(→amazon.co.jp)「デーウダーズ」(→amazon.co.uk)などの作品で、インドでは「ボリウッドの巨匠」として知られています。その彼がこのたびパリ・シャトレ座と契約し、来年上演予定の舞台作品で演出を担当することになりました。作品は1920年代に書かれたフランスの小説を下敷きにした新作、ということ以外は明らかになっていません。(詳しくはScotsmanで)

●あのビゼーの墓は今
 当ダイアリーでも既報のとおり、パリのペール・ラシューズ墓地でビゼーの墓標の一部である胸像が何者かに盗まれましたが、ピアニスト・富田珠里様のブログに現地の写真が掲載されています。激しく破壊された墓標が無残です。

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2007.01.04

スカラ座 「キャンディード」を予定通り上演へ

 当ブログのコメント欄でも「By The Thames」の管理人様が触れておられますが、あの「パンツ姿のブッシュとその仲間たち」が登場することで話題騒然の「キャンディード」が、当初の予定通り今年6月~7月にミラノ・スカラ座で上演されることになりました(→Bloomberg)。このプロダクションはパリ・シャトレ座、イングリッシュ・ナショナル・オペラとの3者の共同制作で、去年12/26にまずシャトレ座で上演されたのですが、公演後の28日にスカラ座が「オリジナルを大きく逸脱している」演出を問題視し、ミラノでの公演は行わないことを明らかにしていました。
 先月30日に演出家のロバート・カーセン氏とスカラ座総裁のリスネル氏が電話会談した結果、演出に若干の修正を加えた上で公演を予定通り行うことで両者が合意した模様です。なお、どの場面で修正が加えられるかは今のところ明らかになっていません。
 まあ英BBCでも既に公演の模様がオンエアされたようですし、「いまさら上演中止しても(みんな見てるから)意味がない」という判断が働いたのかもしれませんね。しかもバーンスタインの遺族は今回の演出には「父がもし見ていたら、さぞ気に入ったのではないでしょうか」と賛意を表してるわけですからね。やっぱりスカラ座は自国の前首相に遠慮したんでしょうか。勿論これは私の勝手な想像ですので、本当のところは分かりませんが。

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2007.01.01

【演奏会レポ】石川県立音楽堂のカウントダウン・コンサート

(曲目)
1.ウェーバー:「オベロン」序曲
2.モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調から 第2、第3楽章
3.渡辺俊幸:ザッツ・モーツァルト!
4.アメイジング・グレイス
5.ビゼー:「カルメン」前奏曲
6.同:ハバネラ(「カルメン」より)
7.同:お前が投げたこの花は(同上)
8.同:間奏曲(同上)
9.同:何を恐れることがありましょう(同上)
10.同:闘牛士の歌(同上)
11.ラブ・ミー・テンダー
12.ピアソラ:真実との3分間

-------------[休憩]-------------

13.宮城道雄(池辺晋一郎編):春の海
14.フバイ:ヘイレ・カティ
15.弦哲也:鼓門で逢いましょう
16.ティルザー:私を野球に連れてって
17.宮川彬良:栄光(ひかり)の道
18.蛍の光

--[カウントダウン・セレモニー]--

19.上真行:一月一日
20.ヨハン・シュトラウス二世:シャンパンの歌(「こうもり」より)
21.プッチーニ:誰も寝てはならぬ(「トゥーランドット」より)
22.バーンスタイン:「キャンディード」序曲
23.ロウ:踊り明かそう(「マイ・フェア・レディ」より)
24.ロイド=ウェッバー:メモリー(「キャッツ」より)
25.ピアソラ:オブリビオン
26.レイ:ラ・マンチャの男
27.バーンスタイン:マリア~トゥナイト(「ウエストサイド物語」より)
(アンコール)
28.中村八大:上を向いて歩こう
29.宮川彬良:栄光(ひかり)の道
30.ヨハン:シュトラウス一世:ラデツキー行進曲

(演奏)
宮谷理香(ピアノ;2)yumi(フルート;3,4,8)ジョアナ・ゲドミンタイテ(ソプラノ;9,20,23,27)鳥木弥生(メゾソプラノ;6,16,20,24)志田雄啓(テノール;7,20,21,27)安藤常光(バリトン;10,17,20,26)ギドン・クレーメル(ヴァイオリン;11,12,25)石川県筝曲連盟(琴;13)ジェフリー・ペイン(トランペット;14)松井昌雄(唄;15)黒瀬恵(オルガン;18)
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢(特別大編成)
指揮:ルドヴィーク・モルロー、松井秀喜(28,29)
(2006.12.31-2007.1.1 石川県立音楽堂)

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