私が最近車の中で好んで聴く音盤を紹介します。ご覧の通り、クラシック音楽以外のジャンルのものばかりですが、クラシックはDレンジが広すぎて車中では弱音が聞こえないので、自ずとクラシック以外の洋楽を聴く機会が多くなってしまうのです。
●「ジョアン・ジルベルトの伝説」
いま日本で「ジョアンの伝説」といえば、開演時間になっても楽屋入りしてなかったりとか、「嫌いだから」と会場のエアコンが切られるなどの振る舞いのことを指すようだが(苦笑)、本来は彼の声が伝説なのだ。スピーカーから聞こえてる筈なのに耳元で甘く囁いているように聞こえる彼独特の歌唱は、まさに唯一無二のものだ。このCDではそんな彼の歌声(今より声のトーンは高いけど)にたっぷりと浸ることができる。
(EMI Korea, EKJD-0155)

●「LIVE - Ricardo Silveira Luiz Avellar/Play the Music of Milton Nascimento」
ギターとピアノの二重奏が虚飾の無い音楽を紡いでいる。このデュオからはクラシックの上質な室内楽に通じるような、そんな親密さと濃密さが味わえる。
(Adventure Music, AM1014 2)

●「シノノメソラ」(シノノメソラ)
数十年前の軽音楽のようなシンプルなビートの上に、日本の古い歌謡曲を連想させるシンプルな旋律が乗っかってる。この独特の音楽世界はエスニックというべきか、ナチュラルテイストというべきか、はたまたノスタルジアと言うべきか。ともかくどこかで聴いたことがあるようで、実はどんな所でも聴いたことがない音楽だ。このバンドの中心人物でもある黒田かなでさんによる、感情過多に陥らないヴァイオリン演奏も良い。洋食が続いた後にうどんを食べたときのような、そんな安心感とぬくもりが感じられるアルバムだ。
(ミディクリエイティブ,CXCA-1165)

●「オープン・シーンズ」(ダリンデオ)
上述のシノノメソラが「町のうどん屋さん」なら、これは間違いなくモダンなカフェのような音楽だ。コード進行やベースの動きはジャズ的だが、ポップでダンサブルな音楽はシンプルで親しみやすい。難しいことを考えずに素直に楽しめるサウンドに仕上がっていて、これはこれで見事な職人芸だ。ところでダリンデオのメンバーは6人ともヘルシンキはシベリウス音楽院の出身らしい。なんか最近この音大出身のジャズマンて増えてないか。
(コロムビアミュージックエンタテインメント,COCB-53575)
(関連サイト)
・ほぼ日刊イトイ新聞-ボサノバをつくった男。ジョアン・ジルベルトが日本にやってくる!
・Ricardo Silveira Official Site
・Luiz Avellar Official Site
・シノノメソラ 公式サイト
・Dalindèo Official Site