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2006.10.18

ヒラリー・ハーンとブルーグラス

 アメリカ出身のヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーン(26)のことは、私よりも当ダイアリーをご覧の皆様のほうがよくご存知かと思います。私はライブで聴く機会には未だ恵まないのですが、すでに何度も来日していますし、ファンには既にお馴染みの存在です。今年もパーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ室内管の来日公演でソリストとして登場し、ベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」を披露したのは記憶に新しいところです。さてその際にヒラリー・ハーンがナント!カデンツァにブルーグラスの曲を織り込んで演奏していた、と「シンシナティ・ポスト」紙が報じています。これってホントの話なのでしょうか!?にわかには信じられませんが、とにかく同紙の記事を覗いてみましょう。

Bela_fleck01 横浜のコンサート会場(みなとみらいホールのことか?)の舞台裏で出番を待っていたハーンは、何気なくアメリカのカントリーアーティスト、ベラ・フレック(Bela Fleck:写真)の「Down in the Swamp」(→視聴)の一節を弾いていました。するとパーヴォ・ヤルヴィが「舞台で調弦する時、その曲を弾いてみてよ」と声を掛けたのです。ソリストは「わたし弾きません」と返しましたが、エストニア人指揮者は冗談めかした口調で「弱虫だなぁ」とからかいました。
 その指揮者の態度を見てハーンは、密かにベートーヴェン交響曲全曲演奏会の舞台でカントリー音楽を演奏する決心をしました。「私は誰にも言わずに舞台に上がったのですが、実際その場面になると彼は私の行為を理解してくれたみたいです。会場の聴衆は日本民謡を弾いていると思ったようですし、オーケストラの団員は事の次第を理解できない様子でしたが、ヤルヴィはこのアイデアを気に入ってくれました。次の日は別の曲を演奏してみました。即興演奏のお稽古みたいでとても楽しかったです」と彼女は述べています。

 この記事を見た後、ハーンの公式サイトでもこの出来事について触れた記事を見つけました。「Journal」の5月28日付のエントリ(参照)によると、「旧世界」と「新世界」の音楽が融合したのは第2楽章だったようです。

!!!!!オマケ動画!!!!!

ロックバンド「And You Will Know Us By the Trail of Dead」のライブにゲスト出演したときのヒラリー・ハーン。

(関連記事)
Béla Fleck Official Web Site


ベラ・フレック「ドライブ」(「Down in the Swamp」収録)


エルガー「ヴァイオリン協奏曲」、ヴォーン=ウィリアムス「揚げひばり」
ハーン(ヴァイオリン)サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン響(→当ダイアリーでのレビュー

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Comments

josquin様こんばんは。
>サンプルの「Down in the Swamp」のようなテンポでは弾いてませんでした

おそらく彼女は「ベートーヴェンの音楽に馴染むように」ある程度配慮して弾いていたのではないかと思われます。

「カデンツァで別の曲を弾く」というアイデア自体は昔から結構あって、例えばアルカンが書いたベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」のカデンツァでは同じ作曲家の「交響曲第5番」(運命)が引用されています。もっと最近だとチェリストのリン・ハレルがハイドンの協奏曲を演奏したときに、カデンツァでシューベルト「ザ・グレイト」のフィナーレの冒頭部(あの快活で勇ましい一節)を華麗に演奏していたのをラジオで聴いたことがあります。しかし他のジャンルの音楽を取り入れるとは驚きです。しかもそれをヒラリー・ハーンがやるとは…。個人的に彼女は「純クラシック」の演奏家だ、というイメージがあったので、驚きは倍増です。

Posted by: おかか1968 | 2006.10.19 at 22:50

なるほど、あの時の第2楽章のカデンツァはカントリー音楽がベースだったんだ・・・。

確かにハーンは5月末のみなとみらいで、バグパイプ風、ペルト風、アラビア風にも取れる不思議なカデンツァを弾いていました。むろん、第2楽章ですのでサンプルの「Down in the Swamp」のようなテンポでは弾いてませんでしたのでそんな風に感じたのかな?

Posted by: josquin | 2006.10.19 at 01:27

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