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2006.06.17

肩に掛けて弾くチェロ 「ヴィオロンチェロ・ダ・スパラ」を聴く

 現在開催中の「目白バ・ロック音楽祭2006」(「バロック」でなくて「バ・ロック」なんですね。どうして「バ・ロック」なのか、知りたい方は公式サイトをご覧ください)の「目玉公演」としてプログラム発表時から注目されていた、寺神戸亮によるヴィオロンチェロ・ダ・スパラ演奏会(6/15、目白聖公会)ですが、早速音楽配信サイト「ブラビッシモ!」でライブの模様が(有料ですが)ダウンロードで聴けるようになっています。今回演奏されたバッハ「無伴奏チェロ組曲・第1~3番」、そしてアンコール曲(「同第5番」からサラバンド)を合わせた全曲を一括ダウンロードすると1575円かかりますが、iTunes Music Storeでアルバム1枚分購入するときの価格と同レベルなので、個人的には許容範囲内です。

 さて寺神戸さんが演奏したヴィオロンチェロ・ダ・スパラ(以下「スパラ」)なる楽器ですが、「ヴィオロンチェロ=チェロ」と名が付いていても、一般的なチェロ奏法(地面と垂直にし、奏者の股間に挟んで演奏する)とは異なり、肩に掛けて地面に平行にした状態(要はヴァイオリンやヴィオラとおなじスタイル)で演奏されます。ちなみに「スパラ」とはイタリア語で「肩」という意味です。

Violoncellp_da_spalla  スパラを抱えて演奏している画像は寺神戸さんのサイトで見ることができますが、ここでジギスヴァルド・クイケンが抱えているスパラは一般的なチェロよりは小型で、どこか子供の練習用チェロを思わせます。今回の寺神戸さんも、小ぶりなサイズの楽器をコンサートで使用したようです。しかし(同じサイトにある)昔の銅版画(写真)によると、今一般的に使用されているフルサイズの大きさに近いチェロでも肩に担いで演奏していたことが伺えます。私はこの絵をみたときに強いショックを受けました。なぜなら、私が昔遊び半分でチェロを肩に担いで音を出そうとした折、余りの重さに耐えかね、周りにいた人にチェロを支えてもらうようにお願いしたことがあったからです。チェロを肩に担ぐだけでも結構肩にズッシリと重みがかかるので、楽器を安定させた状態で保つことは非常に困難です。それなのに肩に担いだまま弾くなんて私には出来ませんよ(笑)。
 やや話が脱線してしまいました。寺神戸さんの演奏を私もダウンロードして聴いてみましたが、予想に違わず世界的バロック・ヴァイオリン奏者によるバッハ演奏を充分に楽しむことができました。しかし一方で「肩掛けで弾く」チェロと「足で挟んで弾く」チェロの違いというのも感じたのも事実です。具体的には、スパラの演奏だとチェロ奏者による一般的な演奏よりも弓が弦の上をポンポンと跳ねてしまうように聴こえるのです。この特徴は「ジーグ」や「メヌエット」などのテンポの速い楽曲では軽快な響きとして楽しめるのですが、中庸なテンポの曲、例えば「第1番」や「第3番」の前奏曲だと、音と音の間のフレーズの繋がりが感じられず、結果的に曲の持つ「雄大さ」が欠乏してしまったような印象を持ちました。個人的にはスパラという楽器に一番合っていると思われる「第6番」を聴いてみたかったのですが、これはまたの機会の楽しみに取っておきたいと思います。一通り聴いたあと、「スパラは曲の特性に応じて『足に挟んで弾く』チェロと使い分けるのが良いのかな」というのが私の結論です。
 ともあれスパラの再発見は、古楽演奏の可能性をさらに広げるものであることは間違いないでしょう。これまでバッハの曲では「ブランデンブルグ協奏曲第6番」をスパラで演奏した例があるようです。これは効果的だと私も思います。それから「ブランデン~」だと「第3番」も合いそうです。

(参考)
ongei :: blog. 「古楽特派員テラニシ」001──幻の肩掛けチェロ「ダ・スパラ」 (March 13, 2006)

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バロック・ヴァイオリニスト寺神戸亮(てらかど りょう)が、
2006年から最近復元された珍しい楽器‘ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ(肩掛けチェロ)’を用いた演奏活動を精力的に行い、今年6月デンオン・アリアーレ・シリーズから《J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲全曲》を世界初リリースいたしました。これまでにもソロコンサートがありましたが、2008年は、バッハ・コレギム・ジャパンや福岡古楽音楽祭において、室内楽の中でもヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを用いたアンサンブルを行い、皆様にご好評
いただいております。国内2008年最後のスパッラ公演、‘旬の音’をお聴き逃しなく!

【ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ~無伴奏チェロ組曲~】
・12/4(木)16:00 朝日カルチャーセンター レクチャーコンサート
・12/6(土)・7(日)15:00 松明堂音楽ホール(2days:全曲)
・12/12(金)・13(土) [大阪・服部]ノワ・アコルデ音楽アートサロン
(2days:全曲)
・12/14(日)14:00 浜松市楽器博物館レクチャーコンサート(第1・3・6番)
・12/16(火)19:00(プレ・トーク/18:00~18:30) 近江楽堂 (第2・3・6番)


詳しくは【寺神戸亮オフィシャルホームページ】http:
//www.lesboreades.info/RyoTerakado/
をご覧下さい。

Posted by: 寺神戸亮、公演情報 | 2008.11.24 13:02

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» 空間を響きで満たす弦楽器によるバッハ - 寺神戸氏のヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを聴いて - [SEEDS ON WHITESNOW]
6/17に目白バ・ロック音楽祭の一環として、目白聖公会で行われた寺神戸亮氏によるヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによるバッハの無伴奏チェロ組曲のコンサートの感想を記しています。 [Read More]

Tracked on 2006.06.22 00:21

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