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2006.06.27

【レビュー】ヴォーカル・アンサンブル「カペラ」の「ノートルダム・ミサ曲」

Machaut_cd

曲目:
グレゴリオ聖歌:「めでたし、聖なる産みの母」
同:「栄えあるおとめの御誕生」
ギヨーム・ド・マショー:ノートルダム・ミサ曲
同:ダヴィデのホケトゥス
同:モテット23番「幸いなおとめ/汚れない御母/あなたに嘆息します」
演奏:
ヴォーカル・アンサンブル「カペラ」(音楽監督:花井哲郎)

(このCDは@TOWER.JPHMV.co.jpで購入可能です)

 「ヴォーカル・アンサンブル・カペラ(以下「カペラ」)は、花井哲郎と花井尚美によって1997年に創設されたアカペラ(無伴奏)合唱グループです。グレゴリオ聖歌とルネサンス期の音楽を主なレパートリーとし、日本国内だけでなく海外への演奏旅行の経験もあり、CDも今回紹介するギョーム・ド・マショー作品集が4枚目になります」。
 …と一昔前の「レコ芸」誌のレビューみたくプロフィール紹介から入ってしまいましたが、実はこのCD、ひいては今回見事な演奏を展開している合唱アンサンブルのことをふげつ様のブログを拝見するまで私はまったく知らなかったもので、公式サイトなどで改めて彼らの経歴を確認しつつ「どうして十年間も彼らの活動を知らずに過ごしていたのか」と自らの不勉強を恥じています。それ程このCDでの彼らの演奏は素晴らしいものでした。

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2006.06.23

ブラジル戦の犠牲に捧げる哀歌

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(写真)ドイツW杯「ブラジル対日本」戦終了後、アドリアーノ(上)に慰められる中田英寿(下)。

 中田英寿選手へ;
 お疲れさまでした。今はモーツァルトの音楽でも聴きながら暫しの休息を。

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2006.06.17

肩に掛けて弾くチェロ 「ヴィオロンチェロ・ダ・スパラ」を聴く

 現在開催中の「目白バ・ロック音楽祭2006」(「バロック」でなくて「バ・ロック」なんですね。どうして「バ・ロック」なのか、知りたい方は公式サイトをご覧ください)の「目玉公演」としてプログラム発表時から注目されていた、寺神戸亮によるヴィオロンチェロ・ダ・スパラ演奏会(6/15、目白聖公会)ですが、早速音楽配信サイト「ブラビッシモ!」でライブの模様が(有料ですが)ダウンロードで聴けるようになっています。今回演奏されたバッハ「無伴奏チェロ組曲・第1~3番」、そしてアンコール曲(「同第5番」からサラバンド)を合わせた全曲を一括ダウンロードすると1575円かかりますが、iTunes Music Storeでアルバム1枚分購入するときの価格と同レベルなので、個人的には許容範囲内です。

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2006.06.16

岩手・あらえびす記念館で「世界の音楽切手展」開催

 岩手県の「野村胡堂・あらえびす記念館」(→公式サイト)では、今月15日から特別展「世界の音楽切手展-渡部繁夫コレクション」が開かれています(参照1参照2)。今回はバッハやヘンデル、モーツァルト、ショパンらの有名作曲家にちなんだ切手約600点が展示されますが、中には「ワーグナー没後50周年記念切手」(ドイツ)など、世界的にも貴重なものもあります。
 これらの切手は、クラシック音楽愛好家であった渡部繁夫氏(1914-86)が長年にわたり60数カ国から収集したものです。渡部氏は生前あらえびすのファンだったということで、その縁で昨年遺族が記念館に全2400点もの切手コレクションを寄贈したということです。記念館のお近くにお住まいの方はいかがでしょうか。

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2006.06.14

フィンランド国営放送で歴史的録音のmp3ファイルがダウンロード可能

 フィンランド国営放送(Yleisradio:YLE)の公式サイトの中にある「Musiikin mestareita」なるコーナー(→ここ)では、歴史的録音のmp3ファイルの数々がupされています。これらは当然ながら(無料で)ダウンロード可能です。サラサーテ、クライスラー、メニューイン、カルーソー、ジーリ、ビョルリンク、シャリアピン、パッティ、メルバ、ロッテ・レーマン、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、コルトーといった巨匠たちの録音が「タダで」聴くことが出来るわけです。サラサーテによる「ツィゴイネルワイゼン」の自作自演、カルーソーの「風の中を羽のように」、シャリアピンの「蚤の歌」などの有名な録音もありますが、個人的にはカザルスが1915年に録音した「無伴奏チェロ組曲第3番:前奏曲」を挙げたいと思います。38歳のカザルスによる演奏は、有名なEMIの「無伴奏」全曲録音とは一味違う、堂々とした風格にあふれたものです。
 (mp3ファイルをダウンロードするには、各リストにある「Lataa/Kuuntele mp3-äänenä」から右クリックをするなどして行って下さい)

(参考)
On An Overgrown Path. Treasure trove of historic MP3 downloads. (June 13, 2006)

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2006.06.13

岩城宏之 逝去

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 訃報が続きます。音楽家の岩城宏之氏が心不全のため本日東京で死去しました(参照)。73歳でした。心よりご冥福をお祈りいたします。
 岩城さんといえばNHK交響楽団やオーケストラ・アンサンブル金沢で活躍されてましたし、最近では2004年と2005年の大晦日に行われたベートーヴェンの交響曲全曲演奏会「ベートーヴェン振るマラソン」が話題になりました。また岩城さんといえば数々のエッセイでも有名です。彼のおかげで「小澤征爾イコール演歌」というイメージが私の脳に染み付いてしまったような気がしますが(苦笑)、彼のユニークな筆致は音楽界の「裏話」の数々をいっそうコミカルなものにしていました。久しぶりに彼のエッセイを読みたくなってきました。

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ジェルジ・リゲティ 逝去

Ligeti ハンガリー出身の作曲家、ジェルジ・シャーンドル・リゲティが昨日ウィーンで死去しました。死因は公表されていませんが、家族によるとここ数年は病気療養中だったとのことです。
 リゲティといえは「アトモスフェール」がとりわけ有名ですが、コダーイ以来の伝統を時折感じさせる合唱曲、難曲で知られる「ピアノのための練習曲集」、緻密な計算とロマン主義が混在する「ホルン三重奏曲」などもよく演奏されます。私の場合、音楽作品として充実していて、ソリストの名技も楽しめる「ヴァイオリン協奏曲」がお気に入りです。こうやって作品を挙げていくと、彼の作品は(「2001年宇宙の旅」を含めて)現代音楽にしては異例といってもいい程のポピュラリティを得ていたことを改めて実感させられます。享年83歳。心よりご冥福をお祈りいたします。

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2006.06.06

「モーツァルトを聴くと目が良くなる」のは本当かもしれない

 当ダイアリーでは以前からモーツァルトを用いた民間療法について紹介してきました(参照<>、<>)が、生誕250年のモーツァルト・イヤーとなった今年は「モーツァルトで健康になろう!」「モーツァルトで頭を良くしよう!」というムーブメントがますます盛んです。最近も某公共放送で「モーツァルトのツボ」なる特集をやっていました。この番組の独自調査によると、カイワレ大根の種にモーツァルトを聞かせて1週間発育させると、音楽を聞かせない種よりも明らかに発育が良かったそうです(参照)。尤も同じ実験ではダンス(ディスコ)・ミュージックを聞かせた種も結構伸びているので、音楽の発信源となったスピーカーの振動が発育に影響した可能性は否定できません。スピーカーの振動が良い影響を及ぼすとすれば、打楽器サウンドなどが植物の発育を促すのかもしれません。

カイワレ大根にガムランを聞かせたらモーツァルトの100倍伸びたりして。

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