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2006.05.06

【短期連載】有楽町でモーツァルトに逢いましょう(4)

 昨日の演奏会で聴いたイェルジ・セムコフは噂通りすばらしい指揮者でした。彼の指揮動作はなかなか特徴的で、弧を描くように手を動かす一般的な指揮者の動作とはちょっと違って、彼のは針がピクピク動いてるみたいに見えるんです。30代、40代以上の方なら解っていただけるかもしれませんが、オーディオのパワーアンプのアナログメーターみたいに棒が動くんです。彼は長めの指揮棒を持ってるので余計そう見えるのかもしれません。
しかしそんな棒の動きに合わせて音は見事に造形され、変化していきます。モーツァルトの「交響曲第29番」はマーラーやブルックナーの交響曲と比べるとずっとシンプルな構造の作品ですが、セムコフの演奏は随所に芸の細かさを聴かせてくれました。例えば第1楽章で突然ヴィオラだけが音を出す箇所があるのですが、そこでのヴィオラの音を一瞬強調させたかと思うとすぐに音を弱め、「あれっ」と思うと他の弦楽器が音楽に加わります。そのあたりに聴衆を一瞬トリックに掛けたかのような手際のよさを見せました。この箇所以外にも普段なら聞き流してしまうようなところにも配慮した演奏全体に指揮者の意思を感じました。
(参考)
Mozart. Piano Concerto No.9 in E flat major K.271 "Jeunehomme" / Symphony No.29 in A major K.201 ; Nicolai Lugansky(Piano) Jerzy Semkov & Sinfonia Varsovia. Tokyo International Forum. Hall A. (May 5, 2006)

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