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2006.04.06

ヨー・ヨー・マ 米議会でビザ発給問題について証言

 イギリスのハレ管弦楽団が米国のビザ手続きの煩雑化を理由にアメリカ公演を断念した、というニュースを先日お伝えしましたが、厳格なビザ発給手続きはハレ管関係者だけではなく米国内外のビジネスマンたちを悩ませているようです。就労ビザ発行には現在大使館員による面接が必要ですが、今では入国を希望する外国人は面接まで待たされるのが当たり前になりました。現在の「待ち時間」はパリでも116日、インドのマドラスでは実に211日の長きに渡ります。マイクロソフト研究所の重役の一人はこの問題について「大きなソフトウェアの開発には外国から優れた技術者を一同に集める必要があるが、ビザ発給の遅れ(そして場合によっては発行拒否)によって業務に支障を来たしている」と懸念を表しています。もしかして新OS「Windows Vista」の発売が延び延びになっているのはこのせいかも、と邪推してしまうのですが、ともあれそんな中今月4日に開かれた米下院政府改革委員会の公聴会で、世界的チェリストのヨー・ヨー・マ(50)が外国人演奏家の入国手続きの簡素化を訴えました。

 自ら音楽アンサンブル「シルクロード・プロジェクト」を主宰するマは、ビザ手続きの厳格化で同プロジェクトの活動に影響が出ていると証言しました。彼によるとアンサンブルに所属するイラン人演奏家2人は、それまで8度の訪米経験がありながら、「シルクロード~」の全米ツアーの際にビザ発行に何ヶ月も待たされた上、空路ドバイの米領事館に面接に出向かなければならず、これらにかかる経費は5000ドルにもなったといいます。
 個人的にはこの問題、「単純に手続きを簡略化していいものか」と迷うところではあります。米国が「テロとの戦い」の旗振り役である以上、外国人の入国、ひいては長期滞在に敏感になるのは当然のことです。就労目的での米国滞在を隠れ蓑に破壊活動を行う可能性がある現状では、自ずと入国審査は厳しいものになっていくでしょう。しかしこのような煩雑な入国手続きのために、これまで米国の活性化の源となってきた「諸外国からの頭脳流入」が大きく停滞するのでは、という懸念は残ります。これは移民で成り立つアメリカ合衆国のアイデンティティにかかわる問題だと思います。
(参考)
Washington Post. Lawmakers Hear From Cellist. (April 5, 2006)
New York Times. Yo-Yo Ma Testifies on Capitol Hill About Artists' Visa Problems. (April 5, 2006)

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