あの「大フーガ」の楽譜の落札者がコレクションをジュリアードに寄贈
去年ベートーヴェン作曲「大フーガ変ロ長調」を作曲家自ら四手ピアノ用に書き直した自筆譜がオークションで2億3000万円で落札された、というニュースが伝えられました。その時は落札者が誰か明らかにされませんでしたが、意外な形でその名前が明らかになりました。先日、投資家でジュリアード音楽院の評議員でもあるBruce Kovner氏が、自ら収集した楽譜コレクションを同音楽院に寄贈しましたが、その中に去年フィラデルフィアの神学校の地下室から発見された80枚の自筆譜が含まれていたのです。
ハーバード大を中退後、タクシードライバーを経て投資会社「Caxton Associates」(→公式サイト)を設立したというユニークな経歴を持つKovner氏が、楽譜収集にハマり出したのは10年程前です。「西洋音楽の偉大な業績に触れたいという個人的な興味から楽譜収集を始めました」と言う彼がジュリアードに寄贈した139点のリストは音楽院の公式サイトで見ることができます(pdfファイル)。パーセルの「ディドーとエネアス」の原稿(写真)からシュニトケの作品までとバラエティに富んだ楽譜コレクションは「Juilliard Manuscript Collection」と名づけられ、2009年に完成予定の特別閲覧室に収められる予定です。
(参考)
The Juilliard Journal Online. Juilliard Receives Gift of Rare Manuscripts (March, 2006)
CBS News. Secret Trove of Music Donated to Juilliard (March 1, 2006)
Playfuls.com. Priceless Collection Of Music Manuscripts Donated To Juilliard (March 1, 2006)
BBC News. Juilliard given rare manuscripts (March 1, 2006)
CNN.com. Nearly 140 manuscripts date as far back as late 17th century (March 1, 2006)
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Comments
pfaelzerwein様こんにちは。
>名曲に偏っている傾向も
確かに。Kovner氏も有名曲を中心に楽譜を買い集めたらしいですよ。
Posted by: 「坂本くん」 | 2006.03.06 07:18
TB有り難うございました。誰が落としたのか興味あったのですが、価格などは別にしてベストな結果のようですね。
リストを見ましたが流石である反面、名曲に偏っている傾向も感じました。それでも幾つかは学術芸術的な価値が高いことでしょう。
Posted by: pfaelzerwein | 2006.03.04 18:43
こんにちは。エキサイトブログに紹介させて頂きました。
Posted by: kokoni | 2006.03.04 10:23