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2006.01.05

英国人の53.3%は、エルガーが英国人であることを知らない

elgar この度ショッキングな調査結果がイギリスで発表されました。同国のアート系TVチャンネルの「artsworld」(→公式サイト)が最近行ったアンケートによると、回答者約1200人のうち半数以上がベートーヴェンがドイツ人であることを知りませんでした。また「フィガロの結婚」の作曲家がモーツァルトだと知っていたのは全体の三分の一でした。更に(イギリス国内の調査としては驚くべきことに)サー・エドワード・エルガー(写真)が「イギリス人」であると正答した人は全体の46.7%と、過半数を下回る結果が出ました。53.3%もの不正解者の中には彼を「ドイツ人」もしくは「オーストリア人」と回答した人が多かったようです。
 エルガーが大英帝国の「第二の国歌」の作曲家だと思い込んでいる私から見ると物凄く違和感を感じる結果なのですが、もしかしたら(これは非常に好意的な見方なのですが)エルガーの豪奢な管弦楽法と流麗な旋律美が現代の英国人には「Continental」(大陸的)なものと映るのかもしれません。今回の結果を地元では「イギリスの学校でクラシック音楽をきちんと教えていないからだ」と教育問題として捉える向きもありますが、音楽の教科書で矢代秋雄の「交響曲」や柴田南雄の「ゆく河の流れは絶えずして」が紹介されてたりするなど、比較的クラシック音楽の紹介に熱心な日本で類似の調査をしたらどうなるのか、興味深いところではあります。
(参考)
Guardian. Britons' ignorance of classical music exposed (December 30, 2005)
Daily Telegraph. A nation of philistines who think Elgar is German (December 31, 2005)
英国生活まるごとガイド. 嘆かわしきイギリス人のクラシック音楽知識 (January 4, 2006)

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Comments

くま様、山尾様、 そしてdognorah様こん○○は。こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。
イギリスでクラシック音楽の人気が低下している、というのはそうかもしれませんね。ロンドンのCD店のクラシックの売り場面積を見ると何となく理解できます。20年前にピカデリーの某黄色い看板のお店に行ったときは、ワンフロア全体がクラシックで占められていて、その凄い品揃えに圧倒されたものですが、3年前に再訪したら売り場面積が日本の地方都市のCD店並に縮小されて、とってもがっかりしたのを覚えてます。まあ20年前はアナログ盤もフロアのかなりの面積を占めていましたし、音楽業界も今より勢いがありましたから、一概にはいえないのかもしれませんが。
それから一般的なイギリス人は、もしかしたら「交響楽」=(イコール)ドイツ音楽として捉えているのかもしれないな、と思ったりもします。むしろUKロックの方に「自分たちの音楽」的な親近感を抱いてるのかもしれません。

Posted by: 「坂本くん」 | 2006.01.07 at 09:22

今年もよろしくお願いします。
イギリス在住者の目から見ると、あまり驚くに当らないアンケート結果ですね。TVのクイズ番組での回答者の無知ぶりにはもう慣れてしまっていますので。皆さんが一般に想像するほど欧州人はクラシック音楽好きではないです。こちらではクラシック音楽はすべての音楽ジャンルの中でもかなり愛好者が少ないものです。ポップス愛好者の数からすると桁が違います。レコード屋の品揃えを見ればわかります。その少ない愛好者が比較的頻繁にコンサートやオペラに行くのでクラシック音楽界は成り立っているのでしょう。エルガーが50%近くの人から知られているというのは立派なものですよ。さすがエルガーと思いました(^^;

Posted by: dognorah | 2006.01.07 at 02:58

今年もよろしくお願いいたします。
しかしこのアンケートは、どういう人たちがサンプルなのでしょうね。それによってもずいぶんと結果は違ってくるように思います。
ただ英国でも、エルガーだベートーヴェンだという前に、クラシック音楽そのものがそんなに人気はないですから、「まあ、そんなところかな」という気がしないでもありません。「威風堂々」のメロディは「ああ、それなら知ってる」と言う人は多いでしょうけれど、作曲者なんか知らないという人も多いんじゃないかと思いますよ。

Posted by: at.yamao | 2006.01.07 at 00:49

もしかしたら、多くの英国人はちゃんと知っていながら、わざと「エルガーはドイツ人」と答えたのでは?
イングリッシュ・ジョークって、凄い辛辣ですし。でも、この辛辣さは何に対するものだ?・・・

Posted by: くま | 2006.01.06 at 23:48

ガーター亭亭主様、dokichi様こん○○は。こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。
私も工工エエエ(´д`)エエエ工工、とモニタに向かって叫んでしまいました(笑)。大体名前に「サー」が付いてるのに、それでも「イギリス人じゃない」って回答はあり得ないんじゃないかと極東アジア人は思ってしまうのですが。とりあえず「artsworld」は毎日「Elgar is English!」と連呼すればよいかと。まあ来年の「エルガー・イヤー」で彼の認知度がもっと高まると良いですね。

Posted by: 「坂本くん」 | 2006.01.06 at 18:38

こんにちは。今年もよろしくです
私も同じくえ~・・。と思ったです
もちろん自分が何だかんだと言っても
1番大好きなのが他でもないエルガーだからという事もありますが。
1番聞いてるのもエルガーだし・・
そのアンケートに答えた人の中には
”プロムス”へも行った人が身近にいた人が
少なかったんでしょうかねえ・・
特にラストナイト。(イン・ザ・パークを含めて)
エルガーの交響曲第一番が確かブラームスの5番みたいだと言ったドイツの指揮者がいたような気もしますが
いずれにしても来年が生誕150年のエルガーファンとしては、あまりに悲しいです・。

Posted by: dokichi | 2006.01.06 at 17:36

えーー、とモニターの前で声を上げてしまいました。

こういう調査結果は、どういう母集団を対象にしているかによって結果の解釈が変わってくるわけですが、「クラシック音楽に知識があると自認している人たち」なわけですか。。。そうすると、坂本くんの「非常に好意的な解釈」も成り立つとは思いますが、他方、「フィガロ」の作曲者の正答が1/3ですから(ベートーヴェンはオーストリアという誤答がありそうですから母集団の推定に役立ちません)、う~ん、それほど知識のある人では実はないのでは、と思ったりします。そうすると、エルガー誰それ状態なんですかねぇ。

ま、「からたちの花」の」作曲者は誰か、というのと同じような設問だと考えれば、そんなモンかなぁという気もしなくもないですが。

あ、本年もよろしくお願いいたします。

Posted by: ガーター亭亭主 | 2006.01.06 at 05:03

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