カエターニ 就任前にENOの音楽監督を辞任
本当なら大晦日はテレビを見ながらのんびりするつもりでしたがニュースです。イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)はこのたび、指揮者のオレグ・カエターニが当初予定されていたENOの音楽監督のポストには就かないことを公式発表しました。ENOの芸術監督John Berryと総支配人のLoretta Tomasiが今週はじめにカエターニと会談し、その席上で10ヶ月前に一旦決定した人事を白紙にすることで両者が合意しました。今後カエターニは客演指揮者としてENOと関係を保っていくとのことです。地元メディアでは「カエターニはメルボルン響の音楽監督の仕事が多忙で、ENOのための用意できる時間が余りにも少ない」ことをその理由として挙げていますが、最近一ヶ月間に総支配人と芸術監督が相次いで辞任するなどゴタゴタ続きのENOですから、カエターニはかえって関わらない方が良かったのかもしれません。
ENOでは労使交渉のもつれから、来年早々にはスタッフのストライキも予定されています。管轄する英政府も黙認するわけにはいかず、文化相がENOに対し調査に乗り出すことを明言しています。
(参考)
Guardian. ENO changes tune on music director (December 29, 2005)
The Stage Online. ENO saga continues as Caetani ruled out of musical directorship (December 30, 2005)
The Stage Online. ENO staff vote to strike in new year (December 29, 2005)
The Stage Online. Tory MP demands inquiry into ENO crisis (December 28, 2005)