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2005.11.27

【レビュー】ブリュッヘンのバッハ「無伴奏」組曲

bruggen_bach

1.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
2.同:同第2番二短調 BWV1008
3.同:同第3番ハ長調 BWV1009

編曲と演奏:フランス・ブリュッヘン(アルトリコーダー)
録音:1973年

(画像をクリックすると@TOWER.JPの商品紹介ページに飛びます)

 今でこそ煩型の評論家をも唸らせる巨匠指揮者として知られているブリュッヘンですが、若い頃の彼はリコーダー奏者として圧倒的な存在で、その超絶技巧は愛好家にとって憧れの的でした。ちょうどジミヘンに憧れてギターを手にする少年のように、彼に感化されてリコーダーを手にする者も少なからずいました。私の友人の一人がまさにそのクチだったのですが、彼が学生時代に好んで演奏していたのが、ブリュッヘン自身の編曲によるバッハの「無伴奏チェロ組曲」(楽譜はamazon.co.jpで購入可)でした。先日ブリュッヘン自身が演奏する、この曲のCDが安価で再発されたので購入してみました。

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2005.11.25

N響首席奏者 ニュージーランドへ

 サッカーの世界では、先日「カズ」こと三浦知良選手が横浜FCからシドニーFCへ移籍して話題となりましたが、クラシック音楽の世界でも日本からオセアニアへと演奏活動の場を移すアーティストがいます。このたびNHK交響楽団の首席コントラバス奏者の池松宏氏が同楽団を退団し、ニュージーランド交響楽団(→公式サイト)<以下「NZSO」>に移籍することになりました(参照)。彼はN響奏者として、そしてソリストとしても活躍し、最近ではニュー・アルバム「5つのアヴェ・マリア」(→amazon.co.jp)をリリースしたばかりでした。

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2005.11.21

【レビュー】スルタノフ 伝説の日本ライヴ

sultanov_CD

(演奏)アレクセイ・スルタノフ(ピアノ)
(曲目の詳細は、レコード会社の公式サイトをご覧ください)

 スルタノフの突然の訃報から程なくリリースされた1996年の来日時の演奏録音です(→amazon.co.jp)。収録曲はスクリャービンとラフマニノフのソナタ以外はすべてショパンの作品なのですが、そこでの明確な自己主張を持ったスルタノフの演奏は聴きものです。

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2005.11.18

ベルリン・フィルに帯同する、もう一人のSimon

 現在極東アジア4カ国を巡回するコンサートツアーの真っ最中のサイモン・ラトルとベルリン・フィルですが、この演奏旅行にはドキュメンタリー映画監督のトマス・グルベ率いる撮影チームが同行し、映像作品製作のために取材を続けています。グルベ氏は先頃日本でも公開された映画「ベルリン・フィルと子どもたち」(原題:RHYTHM IS IT!)の監督です。彼ら撮影クルーの近況はブログ「TRIP TO ASIA」で知ることができます。ドイツ語なので私は各エントリを全く読めませんが、写真から判断すると現在は香港にいるようです。彼らはベルリン・フィルとともに台北、そして日本へとやってくる予定です。日本のレポがどのようなものになるか、楽しみにしたいと思います。

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2005.11.17

「ピアニストが見たピアニスト」を読む

 青柳いずみこ氏の著作物は、読む度にピアニストとしての経験に裏打ちされた鋭い知見に感心させられるのですが、最新刊の「ピアニストが見たピアニスト」(→amazon.co.jp)も、彼女独自の視点から6人のピアニストたちの芸術の本質に迫った、まさに「読ませる」内容です。

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2005.11.13

紛らわしい(?)名前

 先日ウラジーミル・アシュケナージの指揮によるワシントン・ナショナル管弦楽団の演奏会に、シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」のソリストとして五嶋龍が登場しました。そのコンサートの模様をリポートした米国のblog「ionarts」を見て私はニヤッとしてしまったのですが…。

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2005.11.10

「踊り子」「音楽家」「テノール3人男」「オペラファン」。これな~ぁんだ?

 と「クイズ・タイムショック」(→参照:Wikipedia)みたいな質問をしてみましたが、解答は「K&Kの生活」の11月9日付のエントリにあります。

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2005.11.09

シベリウスは年収2億円

sibelius フィンランドの「Helsingin Sanomat」紙による独自調査(参照)によると、作曲家ジャン・シベリウス(1865-1957:写真)の昨年の著作権収入の合計額は150万ユーロ(約2億730万円)でした。
 この数値は同紙がシベリウス基金からの税収の公示額などから割り出したものですが、シベリウスのひ孫に当たるPertti Virkkunen氏は「別に隠そうとは思いませんが、著作権収入が公になることはあまり嬉しい気がしません。ローヤリティを受け取る人数が今では何十人もいるので、一人あたりの金額は実はそれほど大したものではないのです」と戸惑いを隠せないようです。しかし最近発表されたフィンランドの長者番付によると指揮者のレイフ・セーゲルスタムの昨年の年収は543,355ユーロ(約7500万円)、同じく指揮者のサカリ・オラモは314,354ユーロ(約4340万円)です(参照)から、彼ら現役音楽家をはるかに上回る収入(と税収)を挙げるシベリウスの作品はやはり「フィンランドの国民的財産」と呼ぶにふさわしい存在といえるでしょう。

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2005.11.08

【レビュー】ヘブラーの「フランス組曲」

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<CD1>
1.バッハ:フランス組曲第1番ニ短調 BWV812
2.同:同第2番ハ短調 BWV813
3.同:同第3番ロ短調 BWV814
<CD2>
4.同:同第4番変ホ長調 BWV815
5.同:同第5番ト長調 BWV816
6.同:同第6番ホ長調 BWV817

演奏:イングリッド・ヘブラー(ピアノ)

 私はヘブラーのモーツァルトを聞くとなぜかいつもリラックスした気分になります。彼女の演奏にはどこか「安心感」というか「心地よさ」が感じられるのです。他のピアニストではなかなか味わえないこの感覚は、最近再発されたバッハの「フランス組曲」でも体験することができます。


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2005.11.01

ジョン・トムソン 生誕200周年

John_Thomson_portrait  先月ジョン・トムソン(John Thomson, 1805-1841:写真)という、あまり聞き慣れない名前の作曲家の生誕200年を記念する音楽祭が、彼の地元である英国・スコットランドのケルソーなどで開催されました。3日間にわたった音楽祭では、管弦楽曲や室内楽、宗教音楽など、様々なジャンルの作品が取り上げられ、特にオーケストラ・コンサートではトムソンの曲と合わせて、メンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲が演奏されました(参照:音楽祭のプログラム)。

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