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2005.11.01

ジョン・トムソン 生誕200周年

John_Thomson_portrait  先月ジョン・トムソン(John Thomson, 1805-1841:写真)という、あまり聞き慣れない名前の作曲家の生誕200年を記念する音楽祭が、彼の地元である英国・スコットランドのケルソーなどで開催されました。3日間にわたった音楽祭では、管弦楽曲や室内楽、宗教音楽など、様々なジャンルの作品が取り上げられ、特にオーケストラ・コンサートではトムソンの曲と合わせて、メンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲が演奏されました(参照:音楽祭のプログラム)。

 実はトムソンとメンデルスゾーン姉弟(ファニー&フェリックス)との間には個人的な親交がありました。1929年のメンデルスゾーンの英国旅行は、交響曲第3番「スコットランド」や序曲「フィンガルの洞窟」を生み出したことで有名ですが、彼はその旅行中エディンバラでトムソンと出会います。メンデルスゾーンはトムソンの音楽にいたく感激し、後にトムソンをドイツ留学に誘うこととなります。また姉ファニーはトムソンのことを「私が知っているイギリス人の中で最高の人物」と語っています。トムソンはその後(メンデルスゾーン同様)作曲家兼指揮者としてスコットランドで活躍し、地元楽壇では第一人者的存在となりました。
 しかし没後は3つのオペラを始めとする作品の数々が演奏される機会は殆どなく、急速にトムソンの名は忘れ去られ現在に至っています。そんなトムソンの名誉を回復しようとして企画されたのが今回の音楽祭なのです。さてこの音楽祭の公式サイトではトムソン作品「ベネディクトゥスとホザンナ」がmidiファイルで聴く事が出来ます(→ここ)。この1曲だけで彼の作曲家としての力量を測るのは困難ですが、単調と長調との間を微妙に行き来する複雑な味わいのこの作品からは、トムソンが確かな作曲技法の持ち主だったことが伺えます。

(参考)
Scotsman.com. Music festival celebrates life of 'forgotten' Scots maestro (October 29, 2005)

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