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2005.10.25

今日のメディアウォッチ

 最近なかなか読み応えあるなぁ、と感じることが多かった老舗クラシック音楽情報誌「レコード芸術」ですが、今月号(2005年11月号)は正直イマイチでした。その理由は明らかに「モーツァルト名盤大全」なる特集企画が巻頭を飾っているからです。

最近ではamazon.co.jpのサイト内で「モーツァルト 交響曲 第41番」と検索すると200タイトル以上も出てくる(参照)ほど多種多様な演奏が現れ、ファンの嗜好もそれに合わせて多様化しています。そんな中1曲あたりたった1枚の「ベスト盤」を提案しても、そこには「これを聴かないとモグリですよ!」とでも言われているような押しつけがましさを感じるだけです。私はモーツァルトの交響曲といえばブリュッヘンもコープマンもホグウッドもアーノンクールもクレンペラーもヴェーグもワルターも、ぜーんぶ交互に聴いては楽しんでいます。音盤一枚あたりの値段もそんなに高くない今では、とりあえず良さそうな演奏を幾つか揃えて聴き比べながら演奏間の差異を楽しむ、というのが一般的なリスナーの聴き方だと思うのです。そしてこの特集記事は50ページをライター十余名が分担しているのですが、いっそ各ライターが1ページづつ分け合い、思い思いに各人のオススメ名盤をできるだけたくさん披露してもらう方が興味深い記事になったと思いますし、その方が誌面を有効活用できると思うのですが…。そもそもモーツァルトならこの人、といえる存在のブルーノ・ワルターを誰も一押ししない「モーツァルトの名盤」特集なんておかしいですよ。宇野功芳さんが見たら怒りますよ、きっと(←これは勝手な想像です)。

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Comments

Schweizer_Musik様こん○○は。実は私、先月からレコ芸の購読を再開したところです…。
冗談のような実話はともかく(笑)、今の時代に「ベスト盤」を決めることの意味が希薄になっているのは確かだと思います。
それでもなお、どうしても「ベスト盤」を決めるのなら、何種類もある録音の中で、1つだけを選んだその理由を深く知りたいところですが、実際の内容は「名曲解説全集」の要約みたいな曲の解説がほとんどを占め、最後に付け足しのように「△△指揮の□□フィルの演奏がお薦め」と書いてお終い、というものが大半でした。ということで編集部が力を入れていると思われる連載記事にしては「何か内容が軽いなぁ」というのが正直な感想でした。
私は「この企画は一体誰のためにやってるのかなぁ」とまで思ってしまいます。「これからモーツァルトを聴くビギナーのため」と言われるかもしれませんが、今の時代のビギナーなら、手っ取り早く激安CDを買っちゃうでしょう。となるとこの企画はやはりマニアを対象とするべきであって、それを考えると内容がもう少し充実しないと、というのが実感なのです。

Posted by: 「坂本くん」 | 2005.10.30 at 01:33

お久しぶりです。先月から私も長年買い続けたレコ芸を買うのをやめちゃいました。
一枚が3000円以上もしたCD初期ならともかく、バジェット・シリーズならば一枚500円程度で出ている時代、往年の名演ならばとりあえず買いそろえて聞き比べるのは、私のやっていることです。実際そういう人は多いでしょうね。
名曲の名演を推薦されるよりも、知らない作曲家や作品、演奏家の特集をしてくれるなら、また買っても良いと思うのですが、今更ブリュッヘンやアーノンクールを比べたりしても、今は両方持っている人も多いし、どちらを買うか迷うなんてことも無いでしょうね。
時代の変化に即応できず・・・というのが正直なところで、あれでは発行部数がどんどん減る一方でしょうねぇ。
しかし、長年の習慣を変えるのはちょっと勇気が要りました。レコ芸を毎月20日頃に買うのが楽しみだった時代が何だか懐かしいです。

Posted by: Schweizer_Musik | 2005.10.29 at 23:50

こん○○は。
批評家の方々の嗜好を探求する、という試みはもっとなされても良いと思いますね。この分野では、すこし前に鈴木敦史氏が「批評家の批評」本を出されていました(タイトルは「クラシック批評こてんぱん」でしたか)けど、彼に続く書き手はまだ出ていないようですね。ニーズはあるとは思うのですが。
ちなみに私は最近、「デモーニッシュ」な演奏を好む筈の宇野功芳氏が、なぜテンシュテットを高く評価しないのかに興味があります。

Posted by: 「坂本くん」 | 2005.10.29 at 05:49

はじめまして。
レコ芸といえば、もう8年位輸入盤試聴記だけ読んで棚に戻すということを繰り返しています。
そうですか。モーツァルト特集でしたか。
レコ芸の特集では、10年以上前の話ですが、評論家特集というのが方向性として面白かったですね。ツッコミが全然なくて物足りませんでしたが。あの特集を切れ味鋭くしてまたやらないですかね。自分がどんなリスナー遍歴を重ね、どんな嗜好をもっているかを徹底解剖し、各評論家に自分のバイアスを正面から見つめさせる機会をつくってほしいものです。

Posted by: mottenin | 2005.10.28 at 22:21

くまさんこんばんは。
このテの「名曲名盤○○○」的企画というのは、この雑誌では「定番」ですね。でも「これイイですよ絶対!これしかないすよ!」というより「これどう?こんなのもありますよ?いかがですか?」という薦め方の方がフレンドリーな感じがして好感が持てるんですよ(少なくとも私には)。例えばフレンチレストランでソムリエが「絶対これいいですよ!これしかありません!」と迫ってもウザいだけです(笑)。まあ上記エントリでの「モーツァルト名盤大全」の場合、一部の曲では2,3枚推薦盤を提案していましたから、その辺りの配慮も多少なされてるようですが、2,3枚と言わずCDを出来るだけたくさん紹介して欲しいです。

Posted by: 「坂本くん」 | 2005.10.26 at 21:46

初めまして。いつも拝見しておりました。
同感です。「レコ芸」は多少目先を変えながらも従来からのやり方を踏襲しているのでしょうが、読者に飽きられはしないかと余計な心配をしてしまいそうです。
このジャンル唯一の雑誌である同誌が無くなると困るので、とても心配です。

Posted by: くま | 2005.10.26 at 19:12

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