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2005.10.26

マルティン・シュタットフェルトのCD

martin_stadtfeld01  英ソニーのクラシック部門はアイドル路線まっしぐらですが、ドイツのソニーBMGは比較的アダルティーな気鋭の演奏家を積極的に登用しています。そんな同社が小菅優バイバ・スクリデ(←今回からこのように表記します)、石坂団十郎に続いて世に問うのはマルティン・シュタットフェルト(→公式サイト)。現在「ゴルトベルク変奏曲」(→amazon.co.jp、「Bach Pur」(→amazon.de)、そしてモーツァルトのピアノ協奏曲集(→amazon.de)の合計3タイトルがリリースされています。「ゴルトベルク~」は日本盤も近々発売される予定で、音楽雑誌の広告には「グールドの再来」というキャッチコピーが踊っています。

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2005.10.25

今日のメディアウォッチ

 最近なかなか読み応えあるなぁ、と感じることが多かった老舗クラシック音楽情報誌「レコード芸術」ですが、今月号(2005年11月号)は正直イマイチでした。その理由は明らかに「モーツァルト名盤大全」なる特集企画が巻頭を飾っているからです。

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2005.10.23

21世紀にコンクールは必要か

rafael_blechacz 既報の通り、「第15回ショパンコンクール」は地元ポーランド出身のラファウ・ブレハッチ(20:写真中央)が「第1位」を獲得しました。我が家の貧弱なネット環境のため、コンクール参加者たちの熱演を結局楽しむことができなかった「坂本くん」ですが、それにしても予選・本選を通じてネット界では結構コンクールをネタにああでもない、こうでもない、と盛り上がってましたね。一方音楽業界からは「コンクール無用論」とでも言うべき意見をパラパラと見受けられたりして、その辺りのファンとの温度差が私には興味深く感じられました。

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2005.10.20

タカーチSQ 英デッカからハイペリオンへ移籍

takacs01  PlaybillArtsによると、タカーチ弦楽四重奏団(→公式サイト)が、1988年以来レコード発売の専属契約を結んでいた英デッカを離れ、今後は英ハイペリオン・レーベルから年1枚のペースでCDをリリースすることになりました。移籍先でのファースト・アルバムはシューベルトの「死と乙女」と「ロザムンデ」で、来年発売予定です。その後にはブラームスの「弦楽四重奏曲」と「ピアノ五重奏曲」のリリースも予定されています。

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モントリオール響 やっとスト終結

 去年からの労使対立がエスカレートしていたモントリオール交響楽団(参照:当ダイアリーの5月6日のエントリ)は今年5月からストライキに入り、夏期休暇後の05/06シーズンに入っても休業状態が続くという異常事態に陥っていましたが、この度新たな労使契約案を楽団員の96%が承認しました。これにより長い労使対立にようやく終止符が打たれ、新音楽監督のケント・ナガノの指揮するコンサート(10/23)で今シーズンがスタートすることになりました。今回の協定では楽団員は18.23%の賃金アップを勝ち取り、更にはボーナスと年金額も以前より上積みされます。財政難の同楽団にとっては1991年以来初めての年俸アップとなります。現在もなお赤字続きの楽団にとってこの新契約が適当なものであるかどうかはともかく、カナダで最も有名な管弦楽団がホールに戻ってきてくれたことは歓迎すべきでしょう。
(参考)
モントリオール響のプレス・リリース (October 18,2005)
CBC Arts. Montreal symphony settles strike. (October 18, 2005)

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2005.10.14

「ケリガンvsハーディング」がオペラに

harding__kerrigan02  1994年にリレハンメルで開催された冬季五輪で、女子フィギュアスケートの金メダリストの名前は?と聞かれて皆さんは答えられますか?私も今さっきググってやっと「オクサナ・バイウル」だと思い出したくらい、この五輪でのナンシー・ケリガンとトーニャ・ハーディングという2人の米国人(写真)によるライバル争いは人々の記憶に残るものでした。五輪本番を迎えるまでに、彼女たちの抗争は尋常でないレベルにまで熱くなっていました。なぜならハーディング陣営が練習中のケリガンをこん棒で殴打してケガをさせるという、大映ドラマでもありえないような事件が起こったからです。

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2005.10.12

「第15回ショパン・コンクール」 第1次予選結果発表

rachel_kudo01 一つ前のエントリに引き続きショパンコンクール関連の話題です。
 現在ワルシャワで開催中の「第15回ショパン・コンクール」の第2次予選進出者が、諫山隆美氏による現地レポblogで発表されていますね。当ダイアリーの6/26日付のエントリで私がリストアップした参加者では、期待していたMei-Ting Sunは残念ながら敗退してしまいました。諫山氏のレビューも悪くなかったんですけどね。審査員たちが(諫山氏と同じように)彼の演奏を「ショパンらしくない」と解釈し、それが悪い方に働いたのかもしれませんね。一方名前先行で注目(失礼!)していたRachel Naomi Kudo(工藤奈帆美:写真)は第2次予選へ進出です。
 その他にイム・ドンミン&ドンヒョク兄弟、関本昌平、ラファウ・ブレハッチ(Rafał Blechacz)、根津理恵子らも第2次予選に進出しましたね。ところでコンクールの模様を伝えるWebラジオには期待していたのですが、小生宅からは全然繋がりません(苦笑)。自分の耳で審査することが出来ず残念ですが、引き続き諫山氏の速報でチェックしていきたいと思います。

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2005.10.11

「ドキュメント ショパン・コンクール その変遷とミステリー」を読む

 世界一有名なピアノコンクールである「ショパン・コンクール」の歴史と、各コンクールの模様を時系列を追ってまとめたレビュー本です(→amazon.co.jp)。著者の佐藤泰一氏はピアノ音楽の音盤コレクターとして他の追随を許さない存在としてつとに有名で、最近ではウアディスワフ・シュピルマンが第二次大戦中に遺した日記をまとめた「ザ・ピアニスト」(→amazon.co.jp)の翻訳も担当されておられます。さてこの本を最後までざっと目を通してみると、「ショパンコンクール事典」としても通用するほど膨大なデータが集録されていて、その情報量のあまりの多さに目眩を覚えるほどです。特に巻末註釈はショパン弾きの一大ディスコグラフィと化していて、これだけでもレコードコレクターには大いに参考になることでしょう。

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