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2005.09.17

「バンザ~イ無しよ。」 from フィンランド

salonen_soderblom

(写真)「第3回シベリウス指揮者コンクール」の審査委員長のエサ・ペッカ・サロネン(左)と、同コンクールで「参加賞」を受賞したヤン・ショーデルブロム(右)。

 今月ヘルシンキで開催された「第3回シベリウス指揮者コンクール」は、優勝者(第1位:賞金15,000ユーロ)無しという結果に終わりました。ここまではコンクールでよくある話ですが、審査委員長のエサ・ペッカ・サロネン(47、作曲家・指揮者)を始めとする審査員たちは第2位(同12,000ユーロ)、第3位(同10,000ユーロ)も「該当者なし」と発表しました。
 その代わりに審査委員会は賞金額が低い賞を新設し、指揮者たちに与えることにしました。最終予選に勝ち残りシベリウスの交響曲を演奏した3人のうちAndreas Tselikas(27:ギリシャ)には「incentive prize」(奨励賞:7500ユーロ)を、ヤン・ショーデルブロム(Jan Söderblom, 34:フィンランド)と佐藤俊太郎(33:日本)には「参加賞」(1500ユーロ)が授与されました。実質的な賞金減額といえるこの発表には居合わせた観客も驚いたようですが、サロネン氏は「この決定には議論を要したが、コンクールの規定では審査委員が賞を自由に変更してよいことになっている」(※1)とその理由を説明しました。またサロネン氏は「今回のコンクールは低調だった。このコンクールの賞に値するシベリウス演奏をした指揮者は一人もいなかった」ともコメントしています。


 先輩指揮者から厳しく批判されてしまったファイナリストたちですが、最高額の賞金を獲得したTselikas氏は「今回の結果には満足しています。(ヘルシンキ・フィルやフィンランド放送響などの)素晴らしいオーケストラと共演できて楽しかったです」と大人のコメントを残しています。その一方でショーデルブロム氏側は「参加賞」という評価に戸惑っている、と「HELSINGIN SANOMAT」紙は伝えています。ショーデルブロムはプロフィールによると元来ヴァイオリン奏者で、フィンランドとスウェーデンの各放送響のコンマスを務めたこともある実力者です。また「ニュー・ヘルシンキ四重奏団」に在籍時にはCD録音も残しています。指揮者としてはあの「名教師」ヨルマ・パヌラに師事したのち、タンペレ・フィル、タピオラ・シンフォニエッタ、スコティッシュ室内管などを指揮し、ストックホルム歌劇場で「マクロプロス事件」(ヤナーチェク)の演奏経験もあります。この略歴からわかるようにショーデルブロムは既に一人前の音楽家として欧州各地で活躍しているわけで、そんな彼に同郷の先輩のサロネン(彼もパヌラの弟子)がダメ出しをした格好です。まあショーデルブロムには今回の結果を「兄弟子からの激励」と良い方に解釈して、今後も活躍して欲しいと思います。

(※1)公式サイトでも確かに「審査員の裁量で賞を変更してもよい」と書かれていますね。
(追記)「第3回シベリウス指揮者コンクール」の参加者リストと審査結果はここで見ることが出来ます(フィンランド語)。

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