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2005.07.28

【レビュー】ブラウティガムのベートーヴェン:ピアノソナタ全集第2巻

beethoven_brautigam02

1.ベートーヴェン:ピアノソナタ第1番ヘ短調 作品2-1
2.同/同第2番イ長調 作品2-2
3.同/同第3番ハ長調 作品2-3
4.同/同第19番ト短調 作品49-1
5.同/同第20番ト長調 作品49-2

演奏:ロナルド・ブラウティガム(フォルテピアノ)

 ブラウティガムのしなやかなで滑らかなフォルテピアノ演奏が楽しめるCDです。「作品2」の3曲のソナタは同時代の鍵盤作品の影響を感じさせつつも、ベートーヴェン的なダイナミックで技巧的な表現の幅を併せ持つ作品です。これらの作品でブラウティガムは、機敏な音の動きを滑らかな運指でスムーズに表現しています。「第1番」のフィナーレ(Track 4)の突風のようなパッセージの数々は痛快ですし、「第2番」第1楽章(Track 5)では上昇音型や下降音型の音符一つ一つの粒立ちがよく聞こえ、瑞々しさを感じます。「第2番」の最終楽章(Track 8)と「第3番」の同じく最終楽章(Track 12)では柔らかいタッチで軽快に弾きこなしていて、それらが聴いていて心地よいです。
 後半の、というより余白の2つのソナチネ(「作品49」)は、技巧的には「作品2」よりは平易で、より親しみやすい作品ですが、各楽章が持つ息の長い旋律のフレージングが見事で、その美しさを前面に押し出したブラウティガムの表現が、実に素直で好ましく感じられます。
 そして特筆すべきは、今回の録音に使用されたフィル手ピアノの響きの豊かさです。グランドピアノのようなゴージャスな厚みは無いものの、充分な響きを持つため、旋律線がくっきりと浮かび上がってきます。その一方で「第19番」の冒頭(Track 13)のような弱音部では、ソフトで優しいフォルテピアノならではの繊細な音が出ていました。

 ところでこのブラウティガムのベートーヴェン・ソナタ全集は世界各地の「ベートーヴェン通り」の看板をジャケ写に使用しています。この「第2巻」はリューベック、先に発売された「第1巻」はロンドンのものでした。次のCDではどの都市が登場するか、録音内容と共に楽しみに待ちたいと思います(笑)。
(BIS,BIS-SACD-1363, ASIN:B000A1G9IQ, SACD(5.0ch/2ch)&CD-DA Hybrid)

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Comments

このジャケット、確かに気にかかりますね。

ということでこれにインスパイアされた企画をガーター亭の方で始めてしまいました。なかなか壮大なものになるかもしれません。

発想のタネに感謝、です。

Posted by: ガーター亭亭主 | 2005.08.02 at 18:00

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Tracked on 2005.08.01 at 18:37

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