「熱狂の人」ルネ・マルタン氏が来阪
マルタン氏は大阪の開催の可能性について尋ねられると「緻密で時間を掛けた調査が必要です。ただ音楽祭のコンセプトを考えると、東京は大きすぎて、むしろ大阪がちょうど良いかもしれません」「(東京のように)必ずしも二百のコンサートを開く必要はない。ラ・フォル・ジュルネには『こうでなくてはいけない』という決まりなどない」「東京はこれまで手がけた中で最もハンディが大きかったのに、成功を収められた。大阪でもきっとうまく行くはず」と述べています。この記事を見る限りでは、ミスター、もといムッシュ「ラ・フォル・ジュルネ」のマルタン氏は、大阪での開催に乗り気のように見えます。
今年4月の東京では32万人もの観客動員を記録しましたが、同様な成功を大阪でも収めることができるのでしょうか。紙面で寺西氏はハード面での不安を挙げていましたが、私はその面ではそんなに心配はないと思います。キタには大阪芸術劇場、ザ・シンフォニーホール、サンケイホール(現在改装工事中)、中之島のフェスティバル・ホール、中之島公会堂などが点在しています。そして多目的ホールの建築計画がキタには2つ存在します(阪大病院跡地B地区と、中之島4丁目の「舞台芸術総合センター」計画)。大阪城近くにあるいずみホールなども含めて有効利用すれば、「同時多発コンサート」は十分可能ではないでしょうか。
私が心配しているのはむしろ「ソフト面」です。関西のクラシック・コンサートは外国からやってくるビッグネームの公演は高額チケットでもすぐに売り切れたりしますが、そうでない安価な公演は苦戦しているようです。このあいだも同好の士とそんな話題をしていたところです。そして関西のクラシック音楽ファンは「芸に厳しい」ところがあるので、若手や日本人アーティストも多く参加する「ラ・フォル・ジュルネ」でどれだけ客が集まるか、正直不安です。産経の記事には某音楽事務所経営者が「安いチケットへの反応の良さでは、むしろ大阪の方が上」みたいなことを述べていたようですが、認識が甘いと言わざるを得ません。また関西のファンはマナーにも厳しいです。先日ドイツのある交響楽団の演奏会を「0歳児でも入場OK」にするという意欲的な試みが大阪でありましたが、その模様を伝えるテレビのニュース映像によると、会場アンケートでは観客マナーについての不満が相当数寄せられたようです。インタビューに応じた観客の中にも「周囲の方々に迷惑をかけてしまって、申し訳ありません…」と仰る方がおられました。「ラ・フォル~」のような子供同伴可のコンサートに対する免疫が、まだ関西ではできていないのかもしれません。
以上のような不安点はありますが、実は関西人はお祭りが大好き、という一面も持っています。毎日放送(MBS)のイベント「オーサカキング」は去年一放送局のプロモーションとしては異例の42万人を動員しました。またサッカーの「セレッソ対ガンバ」戦(通称「大阪ダービー」)も、試合に合わせて屋台村や縁日などのイベントを積極的に行い、それが観客動員に見事に結びついています(長居では4万人を動員。また本日の万博でのダービーは満員札止め)。そんなお祭り好きな関西人の特性に「ラ・フォル・ジュルネ」は合っているのかもしれません。
まあ長々と客観性に欠ける分析込みでお送りした今回のエントリですが、もし「ラ・フォル・ジュルネ・ア・オオサカ」(7/26追記:コメント欄でのご指摘を受けて、訂正いたしました)が実現したら…、もちろん勝手に応援&喜んで一観客として参加させて頂きます(笑)。
The comments to this entry are closed.
Comments
ご指摘ありがとうございます。訂正させて頂きました。
「…オ・オオサカ」より少し言いやすくなったような気はしますが、やっぱり舌噛みそうです(笑)。
Posted by: 「坂本くん」 | 2005.07.26 19:18
大阪ですか。面白そうですね。というか、このプロデューサー氏ー市はやり手ですねぇ。すごい。
ところで、ご懸念の(笑)「ラ・フォル・ジュルネ・オ・オオサカ」については、ややこしい文法の説明はナシにしますが、「・・・オ・オオサカ」でなくて「・・・ア・オオサカ」となりますので少しは発音しやすいかと思います。ご安心下さい。
Posted by: ガーター亭亭主 | 2005.07.25 22:48